2006 Fiscal Year Annual Research Report
層状試料の押出しによる断面炭素濃度の異なる歯車の成形に関する研究
Project/Area Number |
16560093
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
沢木 洋三 静岡大学, 工学部, 教授 (30005417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井田 喜久 静岡大学, 工学部, 助教授 (10334955)
吉田 始 静岡大学, 工学部, 助手 (90283340)
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Keywords | 塑性加工 / 押出し成形 / 歯車 / 有限要素法解析 / 二層試料 / 断面減少率 / 充てん |
Research Abstract |
1.二層試料を用いた歯車の成形 昨年度,外径を絞る成形では,スリーブ材及びコア材の仕事量が等しくなるように変形が進行することを明らかにした.本年度は歯車の成形について調べ,歯車の成形においてもこの事が確認された.通常二層試料で歯車を成形した場合,スリーブ材は歯先で厚く,歯底で薄くなる.均一になることが理想で,このためにはどのような材料の組み合わせがベストかを調べた.その結果スリーブ材が薄い場合には,コア材の強度が低く変形しやすいものが良い事がわかった.ただし材料の組み合わせによって著しく変わるという程のものではなかった. 2.浸炭試料を用いた歯車の成形 昨年度の解析で試料を二層または三層からなる材料として有限要素法解析が行えることが明らかにされた.本年度はどのような浸炭試料が最適かについて,特に歯底での浸炭材の厚さに注目した解析を行った.種々の浸炭処理を仮想した試料での解析結果では,処理の違いによる影響はほとんど現れなかった.なお,これら浸炭試料での歯車成形でも材料の流動は,それぞれの層を形成する材料の応力ひずみ曲線によって支配されている事が明らかにされた. 3.調質鋼材を用いた歯車の成形 著者らの提案した二段充てん法では調質処理を行った中炭素鋼でも歯車が成形できる事を確かめた.このことは通常行われる歯切り後の浸炭焼き入れなどの熱処理が不要となる事を意味している.2と同様にこの場合の材料の流動も,材料の応力ひずみ曲線によって支配されている事が明らかにされた. 4.新しい成形法,円筒試料の内径を拡張する成形法の提案(特許出願申請中) 二段充てん法における唯一の欠点は,成形品端面にバリ状の凹凸が現れる場合のある事であった.円筒試料の内径を段差付マンドレルで拡張し,外周部の材料をダイスの歯形に押し込むように流動させる新しい成形法を提案した.これによりバリ状の凹凸のない歯車が成形出来,現在特許として申請中である.
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Research Products
(4 results)