Research Abstract |
研削加工仕上げ面の良否は,砥石作業面の砥粒切れ刃の分布・形状に,大きな影響を受けることから,平成16,17年度に,画像処理により砥粒切れ刃の抽出が容易になる砥石構造を考案し,実施したところ良好な結果が得られた.このようなことから,平成18年度は,研削性能に大きく影響を及ぼす砥粒切れ刃突き出し量,砥石形状,砥石摩耗量の計測を画像処理により試みた.その測定原理は,画像を取得する際,マイクロスコープと砥面間の距離をμm単位で把握しながら取り込み,画像処理にて合焦点領域を抽出する.この際,測定倍率により,予め合焦点範囲がわかっているので,マイクロスコープと砥面間の距離と合焦点領域の抽出により砥粒切れ刃の突き出し量を3次元で正確に計測できると考えた.また,高倍率(1000倍:焦点深度が1μm)の測定条件を用いることで,マイクロスコープと砥石作業面間の距離を把握しながら,任意の砥石角度における最外周面にある砥粒切れ刃までの距離を計測し,その計測した値を測定角度毎にプロッFすることにより,研削過程での砥石形状の変化および砥石摩耗量の計測が実現できると考えた.実験を通して確認したところ,砥粒切れ刃突き出し量,砥石形状,砥石摩耗量の計測が可能なことがわかった. なお,この研究内容については,日米で知的財産権を確保している.米国(US7068378B2),日本(特許第3668777号).さらに,記載している論文,特許以外に,平成19年度,本研究内容に関して,学術講演会(4件)および産学官交流講演会(2件)にて報告している.
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