2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560136
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
堀内 潔 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10173626)
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Keywords | 乱流抵抗削減 / 高分子溶液 / 高分子応力構成方程式 / DNS / Normal stress difference / Elongation viscosity / Affine性 / Rotating-disk apparatus |
Research Abstract |
本年度は、Newton性流体溶媒に対する高分子の親和的追随性(affine性)の強度が乱流抵抗削減に及ぼす影響の検証を、一様等方乱流において行った.高分子応力の構成方程式としてJohnson-Segalman(J-S)方程式を用いることにより高分子応力の評価に非affine性を取り入れ、この応力をNavier-Stokes方程式中の溶媒の粘性応力に付加するdirect-numerical simulation(DNS)を行った.Newton性流体では、乱流場中での渦層から渦管への遷移の発生に伴って乱流が生成されることが明らかにされているが、この遷移過程にたいする非affine性の効果を解明した. 第一段階として、J-Sモデルの2次近似定常解を用いたDNSを行い、非affine性が増大するにつれて単調に乱流生成の抑止効果が増大することを示した.これは、最も弱い場合(Oldroyd-B方程式)は高分子エネルギーが渦管に沿って分布し、高分子応力による圧力が中心部で極大値をとる事により低圧領域を中心部にもつ渦管の成長を抑止するのにたいし、最も強い場合(Oldroyd-A)は高分子エネルギーが主に渦層に沿って分布し、渦層渦管遷移過程の発生そのものが抑止されるためであることを明らかにした.したがって、B方程式では、粘弾性流体の特性の一つであるinhibition of vorticity generationにより、また、A方程式では、normal stress differenceの特性による渦層に沿うelongation viscosityの誘起によって抵抗削減が起きることを示した.第二段階として、フルなJ-Sモデルを用いて一様等方乱流のDNSを行い、A、B両方程式における抵抗削減機構は定常解の場合と同一であり、A方程式の場合に最大の抵抗削減が起きることを示した.しかしながら、定常解の場合と異なり、非affine性が中問の場合に最小の抵抗削減が起き、非affine性にたいする単調性は得られないことを示し、2次近似定常解の限界を明らかにし、中間の場合にはA、B方程式の両抵抗削減の効果が相殺されるため非単調性が生じることを示した.第三段階として、rotating-disk apparatusのDNSのためのコードの開発を行った.
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Research Products
(5 results)