2004 Fiscal Year Annual Research Report
各種工業で利用されるラバルノズルからの超音速噴流騒音の低減化と高効率ノズルの開発
Project/Area Number |
16560148
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宮里 義昭 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (30253537)
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Keywords | ラバルノズル / 超音速噴流 / スクリーチ騒音 / 全音圧レベル / ノズルリップ |
Research Abstract |
本研究の初年度である平成16年度は,設計マッハ数2.0のラバルノズルからの超音速噴流騒音の特性をシュリーレン法による可視化と遠距離場における騒音測定により実験的に調べることに加えて超音速噴流騒音を低減するための装置を考案した.本研究の主要な成果を要約すると,次のようになる. (1)ラバルノズルのノズル出口におけるノズルリップ厚さが超音速噴流の構造と騒音特性に及ぼす結果を実験的に調べた結果,次の結論が得られた.過膨脹噴流では,ノズルリップ厚さが増加すると,噴流の振動モードが軸対称からスパイラルになる.また,スクリーチ騒音レベルと全音圧レベルは,ノズルリップ厚さの増加とともに増加する.さらに,スクリーチ騒音の周波数は,ノズルリップ厚さの増加とともに低くなる.適正膨張噴流および不足膨張噴流では,ノズルリップ厚さが増加すると噴流騒音レベルわずかに増加する. (2)ノズル出口直径に比べて微小な直径のワイヤーを十字形(今後クロスワイヤーと呼ぶ)にし,ラバルノズルからの超音速噴流中にノズル中心軸に対して直角に置き,クロスワイヤーが超音速噴流騒音に及ぼす影響を調べた結果,次の結論が得られた.過膨張噴流では,クロスワイヤーの設定位置が超音速噴流の第2ショックセルより上流にあるとき,スクリーチ騒音を制御できる.本研究では,最大12dBもの騒音低減化に成功した.クロスワイヤーが第2ショックセルより下流にあるとき,ワイヤーがないときよりも騒音レベルがわずかに高くなる.適正膨張噴流および不足膨張噴流では,クロスワイヤーにより噴流騒音レベルがわずかに高くなる.したがって,クロスワイヤー装置は過膨張噴流にのみ有効である. 平成17年度以降は,ノズルリップ厚さが超音速噴流の構造に及ぼす影響を全圧ピトー管を使って実験的に調べることに加えて不足膨張噴流においても有効な騒音低減法を考案する予定である.
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Research Products
(4 results)