2004 Fiscal Year Annual Research Report
遠心羽根車インデューサ翼端漏れ渦による不安定流動発生機構の解明
Project/Area Number |
16560152
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石田 正弘 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 教授 (60039683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 大作 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助手 (70244035)
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Keywords | 遠心送風機 / 低流量域不安定流動 / CFD解析 / インデゥーサ失速 / ディフューザ失速 / 入口循環流 / 予旋回 / サージマージン |
Research Abstract |
本研究では、インデューサ付遠心羽根車の低流量域で発生する不安定流動を抑制して運転流量範囲を拡大するために、不安定流動の発生機構の明確化とともに、設計流量並びに過大流量域においても羽根車性能を悪化することなくインデューサ失速を抑制するための入口循環流形成デバイスの最適化を目指して、CFD解析と実験の両面から追究した結果、低流量域での不安定流動の発生機構として、インデューサ翼端漏れ渦の不安定な巻き上がり、羽根なしディフューザ内の逆流、およびインデューサ前縁における過大入射角の3つを明確に分類した。得られた主な知見は以下のとおりである。 (1)初期の不安定流動は、インデューサ喉部近傍の翼端漏れ流れと隣接羽根圧力側に生じる局所的逆流域内の主流方向縦渦との相互干渉による翼端漏れ流れの巻上がり現象に起因していると推定された。 (2)ディフューザ通路幅を約2/3幅に縮小することにより、設計流量での性能を悪化することなくディフューザ失速に基づく不安定流動を抑制できる。 (3)羽根車入口で限界入射角を越える場合に前縁剥離に基づくサージが発生する。二乗平均半径位置における限界入射角は約9°であり、二次元翼列の場合よりわずかに大きい。 (4)過大流量時のバイパス流吹出しに基づく羽根車性能低下を最小にするためには、下流側環状溝コーナーに適度な丸みを与えること、また、適切な幅を有する上流側環状溝を設けることが有効である (5)循環流形成デバイス流路内に設置したガイドベーンによって、循環流が有する予旋回強さを抑制することにより循環流量が増大され、ひいては入射角が低減されるとともに羽根車特性が顕著に改善される。 (6)ガイドベーン付入口循環流形成デバイスとディフューザ流路幅縮小により、サージ発生流量を約50%低流量側へ移行できることが検証された。
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Research Products
(5 results)