2005 Fiscal Year Annual Research Report
遠心羽根車インデューサ翼端漏れ渦による不安定流動発生機構の解明
Project/Area Number |
16560152
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Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石田 正弘 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 教授 (60039683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 大作 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助手 (70244035)
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Keywords | 遠心送風機 / 低流量域不安定流動 / CFD解析 / インデューサ失速 / 入口循環流 / 予旋回制御 / ガイドベーン / サージマージン |
Research Abstract |
本研究では、インデューサ付き径向き羽根遠心羽根車内流れの3次元粘性数値解析および実験解析により、サージ発生の原因と考えられる前縁剥離すなわち限界入射角について検討するとともに、入口循環流形成に基づく予旋回が羽根車特性に与える影響を追究することによって、運転流量範囲拡大および羽根車特性改善のための最適な入口循環流形成デバイスを提案した。まず、3次元粘性数値解析における計算格子を精緻なものにすることにより、サージ初生流量近傍での不安定要素として羽根前縁に発生する剥離泡の存在およびその挙動を明らかにした。その結果、遠心羽根車の限界入射角は二乗平均半径位置で判断することが適当であり、供試遠心羽根車のそれは、二次元翼列の7.2[deg]より大きい9.0[deg]であることを明らかにした。次いで、循環流形成デバイスによる不安定流動の抑制効果が、シュラウド壁面上の逆流域の吸出し、および流入流量増大に基づく入射角の低減にあることを明らかにした。また、低流量においては、循環流の旋回成分に基づく予旋回が羽根車内圧力上昇を低下させるので、上流溝部分に装着したガイドベーンの設定角度を変化して予旋回強さを制御することにより、運転範囲の更なる拡大および羽根車特性の改善が同時にできること数値解析で示すとともに実験的に検証した。その結果、ガイドベーン付環状溝による循環流形成デバイスの効果として、(1)循環流が有する旋回成分の入射角低減効果が上流溝の設置により促進されること、(2)上流溝にガイドベーンを挿入することにより入射角の過剰低下を抑制し、かつ、インデューサにおける圧力上昇が増して循環流量が増加すること、(3)適切なガイドベーン設定角を与えることにより、羽根車特性を悪化することなく不安定流動発生流量を53%低流量側へ移行できること、などを明らかにした。
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Research Products
(5 results)