2006 Fiscal Year Annual Research Report
高速水噴流の流動特性と最適なノズル形状に関する研究
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16560160
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 勝弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10063752)
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Keywords | ウォータージェット / キャビテーションジェット / 壊食曲線 / CIP法 / 単発形超音速水噴流 / 衝突圧力 / 流動特性 / 最適ノズル形状 |
Research Abstract |
水中の高速水噴流と大気中の単発型超音速水噴流について,それぞれ実験と数値解析により以下の成果を得た. (1)水中の高速水噴流の加工能力と流動特性 キャビテーションジェットの加工能力におよぼすノズルキャップ形状の影響を調べるため,穴径0.155mmのオリフィス形ノズルチップ出口に内径4mm,長さ5-40mmのキャップを取り付け,吐出圧を50-200MPaに設定し,噴射時間1200sでアルミニューム試験片に噴流を照射して壊食曲線および試験片表面の損傷領域の大きさを測定した.その結果,壊食量は一般にキャップ長さが長いほど減少する傾向があるが,低い吐出圧ではキャップ長さ5mmより10mmの方が増加することがある,一方損傷領域はキャップ長さが長いほど小さくなる,ことが分かった. また,上記の水中水噴流の流動特性を解明するため,ノズルチップ出口近傍の流れ場を圧縮性粘性流れとして,CIP法により数値計算した.ノズルチップ出口で境界条件として50,200MPaの吐出圧に対応する速度を与え,高速水噴流と周囲の静止水との混合過程を識別するため密度関数を導入した.その結果,流れ場は噴流により複雑な渦構造を有し,噴流はノズル出口形状の影響により著しく蛇行する,渦は吐出圧が高いほど強くなる,噴流は非定常性が強いのでその流動特性を明らかにするには長時間の計算とキャビテーションのモデル化が不可欠である,などの知見を得た. (2)大気中の単発形超音速水噴流の流動特性 流速500m/s級の大気中の単発形水噴流をCIP法により数値計算し,実験結果と比較した.本年度は特にエネルギー式を導入し,大気中の噴流挙動および剛体壁面への衝突圧力などを調べた.その結果,流れの対称性が顕著となり,安定した衝突噴流が得られる,剛体壁面への衝突圧力は150MPaに達し金属を破壊することができる,などが分かった.
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