2004 Fiscal Year Annual Research Report
パルス超音波を利用した凝固制御による生体・食品の低損傷・凍結保存技術の開発
Project/Area Number |
16560178
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
多田 幸生 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (20179708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧本 昭 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20019780)
大西 元 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (80334762)
義岡 秀晃 富山商船高等専門学校, 商船学科, 助教授 (80259845)
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Keywords | 凍結 / 超音波 / 氷晶形成 / キャビテーション / 食品 |
Research Abstract |
食品の凍結保存は低温化と活性水分の低減により生化学反応の抑制を図るものであるが,凍結の過程で細胞(筋繊維)レベルでのミクロ現象が生じ,これが各種の機械的損傷や膠質的損傷を発生させる要因となる.したがって,食品の品質(風味,テクスチャー)を損なわない効果的な冷却技術の開発が必須となる.本課題は以上の観点から進めるものであり,凍結過程で超音波を付与することにより,超音波キャビテーションによる衝撃波を発生させ,それにより(1)細胞内過冷却の能動的解除と,(2)細胞内外の氷結晶の微細化を図るものである.最終的には,食品全域の氷晶を微細化させる新しい凍結技術の開発を目指すものである. 本年度は模擬食品(寒天)および食品(馬鈴薯)を供試した凍結実験を行い,氷晶の形成状態を超音波出力および冷却速度と関連づけて実験的に追究し,以下の成果を得た. 1.試験セル,冷却液循環系,超音波振動発生装置,熱電対を用いた温度測定系からなる実験装置が製作された. 2.蛍光観察とマルチスライシングを組合せることにより,氷結晶構造を3次元観察するシステムが構築された. 3.冷却速度が大きい条件において超音波による氷結晶の微細化の効果を見出した.また,超音波出力の増加につれて氷晶径および長径/短径比は減少することを明らかにした. 4.超音波による氷晶の微細化の機構について検討し,音響流による試料表面の熱伝達促進以外の要因がある可能性が示された. 5.馬鈴薯の凍結・解凍実験を行い,超音波付与により,細胞内外の氷晶による機械的損傷の軽減を確認した.
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Research Products
(5 results)