2004 Fiscal Year Annual Research Report
圧縮/膨張ユニット組み込みによる家庭用CO_2エアコンの高効率化
Project/Area Number |
16560181
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
福田 充宏 静岡大学, 工学部, 助教授 (70199222)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 正 静岡大学, 工学部, 教授 (60126787)
|
Keywords | 地球温暖化 / 自然冷媒 / 二酸化炭素 / 膨脹機 / 冷凍サイクル |
Research Abstract |
自然冷媒である二酸化炭素を用いた冷凍サイクルにおいて,圧縮/膨張ユニットを組み込んで絞り損失を回収することによりエネルギー効率両上を図る試みとして,今年度は膨張機の性能改善と圧縮機の試作を行った. 現在までに運転に成功しているベーン形膨張機に関しては,流路変更による漏れ経路の削減,クリアランスの最適化,ベーン背圧空間への給油の検討,軸シール部の削減等により体積効率および機械効率の向上を図った.さらに付加供給ポートを採用することにより図示効率も改善され,その全効率は0.58まで上昇した。今後はさらなる効率向上を図るとともに,超臨界域における冷凍機油混入時の潤滑特性やシール特性などについても検討する必要がある. 本システムでは,膨張機で得られた回収動力で圧縮仕事の一部をまかなうため,膨張機により駆動することを前提とした圧縮機の試作を行い,圧縮機を組み込んだサイクル性能の検討と試作圧縮機の性能を測定した.試作圧縮機は小型であるために相対的な漏れが大きく,ベーン背圧空間へ吐き出し圧力を作用させた場合には圧縮動作を行わず,ベーン背圧のかけ方に工夫が必要であった.体積効率は3000rpmで0.75であったが,吸い込みと吐き出しの差圧が大きくなるとともに減少するため,膨張機の開発と同様のステップにより効率向上を図る必要がある.膨張機により駆動される圧縮機をサイクルに組み込む場合には,中間冷却を伴う2段圧縮機の2段目の圧縮機として使用するのが望ましく,試作した圧縮機を膨張機により駆動した場合にはサイクル性能が1.4倍となることが分かった.今後は圧縮/膨張一体形機械を試作し,その性能とサイクルに組み込んだ場合の運転特性を検討する. なお,現在特許申請の準備中であり,論文発表は控えている.
|
Research Products
(1 results)