2004 Fiscal Year Annual Research Report
氷蓄熱におけるW/O型エマルションによる高機能氷スラリーの生成に関する研究
Project/Area Number |
16560195
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
松本 浩二 中央大学, 理工学部, 教授 (60229549)
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Keywords | 氷蓄熱システム / エマルション / 潜熱蓄熱材 / 氷スラリー / アミノ変性油 / 壁面氷結 / 金属容器内製氷 |
Research Abstract |
氷蓄熱システムの潜熱蓄熱材として,水又は水溶液を使用して氷スラリーを生成する場合,凝固点降下とそれに伴う潜熱の低下が起こり,また,冷却面への壁面氷結が起る等の問題点があり,これらの問題点の十分な解決は計れていなかった.そこで,氷スラリー生成過程における上記問題点を一挙に解決するための新たな蓄熱材の開発を行なった.水-油混合液に加える添加剤としては,凝固点降下とそれに伴う潜熱の低下起らないと推測される疎水性のアミノ変性油を使用した.その結果,水-油混合液に微量のアミノ変性油を加えたものからO/W又はW/O型の2種類のエマルションが生成可能であった.実験に当たり,使用した油はシリコン(10cSt at 20℃)と,実用化に向けてのコストを考慮して,軽油(3.5cSt at 20℃)及び灯油(1.75cSt)を使用した.また,水と油の組成比は9:1,8:2及び7:3とした. 生成された2種類のエマルションの構造の特定及び特性を解明すると共に,それらのエマルションを容器内で攪拌・製氷することで氷スラリーを生成し,IPF(氷充填率),壁面氷結の有無及び流動性などの観点から,蓄熱材としての性能を検討した結果,W/O型エマルションが潜熱蓄熱材として適応が可能であることを明らかにした.また,W/O型エマルションから氷スラリーを生成する場合,W/O型エマルションは水が油中に分散しているため,水が冷却壁面と直接接触し難いという構造上の特徴より,容器材質に影響されずに,壁面氷結を防止する効果があるので,従来は壁面氷結が避けられないと考えられているステンレスのような金属製の容器でも,良好な製氷が可能であった.そして,最も良好な製氷が可能なのは,W/O型エマルションのシリコン油(7:3),軽油(7:3)及び灯油(9:1)であることを明らかにした.
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Research Products
(1 results)