2004 Fiscal Year Annual Research Report
精密スピンドルの振動特性に構造部材の締結状態がおよぼす影響の解明
Project/Area Number |
16560202
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
山本 浩 埼玉大学, 工学部, 助教授 (20220494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 隆太郎 埼玉大学, 工学部, 助手 (00008872)
鄭 頴 埼玉大学, 工学部, 助手 (90375585)
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Keywords | スピンドル / 締結ボルト / 剛性 / 減衰 / 締結力 / 表面あらさ / 接触 |
Research Abstract |
静圧エアスピンドルユニットのロータの曲げ振動に着目し,ロータ構成部材の締結状態が振動特性に及ぼす影響を明らかにした.対象とするロータは,静圧エアスピンドルユニットのスラスト軸受面に対応するスラスト板2枚が,ジャーナル軸受面に対応するジャーナル部の両端に複数のボルトにより締結されている構造となっている.締結状態を表すパラメータとして,ボルト締結トルク,ボルト本数,締結面の表面あらさおよびうねりを考えた.表面あらさが異なるロータ3組および同一形状で1部品により構成されるロータ1組について,打撃試験により伝達関数を求め,実験モード解析の手法を用いて固有振動数,モード減衰比,振動モードを求めた. ボルトの締結トルクを高くするほど,ボルト本数を多くするほど,また締結面の表面あらさが小さい場合ほど固有振動数は高くなる.締結状態が変化しても締結面以外のマクロな弾塑性特性はほとんど変化しないと考えられるので,この固有振動数の変化は主に締結面における構成部材の接触状態の変化に起因すると考えられるが,ボルトの締結トルクを高くするほど,ボルト本数を多くするほど,また締結面の表面あらさが小さい場合ほど締結面の接触面積は広くなるため締結面の接触剛性が高くなり,その結果固有振動数が高くなるものと考えられる.一方,ボルトの締結トルクが高くなるほど,ボルト本数を多くするほど,また締結面の表面あらさが小さくなるほどモード減衰比は低くなるが,これは上述のように固有振動数が高くなるため,結果として減衰比が低くなるものと考えられる.
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