2005 Fiscal Year Annual Research Report
サスペンションシステムの状態変動に適応するハイブリッド振動制御
Project/Area Number |
16560203
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
西村 秀和 千葉大学, 工学部, 助教授 (70228229)
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Keywords | アクティブサスペンション / ロバスト制御 / 切替制御 / パラメータ変動系 |
Research Abstract |
まず,サスペンションジオメトリを考慮した剛性変動を検討するため,マルチボディダイナミクスを用いて解析を行った.ストロークエンドに到達するまでのサスペンション挙動の変動をシミュレーションにより確認した結果,ノミナル時に比べてストロークエンド近傍では剛性が高く現れる現象を見出した.次にタイヤと路面との接地状態を維持しつつ,サスペンションストロークに達した際にどの程度の衝撃がサスペンションシステムに加わるかを明らかにし,その対策を検討した.その結果,ストロークエンドに到達した後に,サスペンションダンパを大きくする切り替え制御では,衝撃の吸収が十分ではなく,むしろ,加速度応答を劣化させてしまうことを示した.そして,ストロークエンドに到達する前から,徐々にサスペンション剛性を大きくしていきながら,適切なアクティブ制御を行うことで優れた衝撃応答の制御が可能となることを見出した. スライディングモード制御により,ノミナル時の制御性能を高めつつ,ストロークエンド到達までの剛性変動に対して,優れた制御性能を維持する制御系設計を行い,制御実験による検証を行った.その際,車体に搭載した加速度センサの信号から,状態推定を行うためのVSSオブザーバを設計し,制御系へ実装した.そして,シミュレーション結果と実験結果に整合性があることを確認するとともに,サスペンションストロークエンドへの到達を考慮した当該制御系の有効性を確認した.当該研究で設計したVSSオブザーバでは,ストロークエンドへ近づくとともに変動する剛性力を検出あるいは推定することなくサスペンションシステムの状態量推定ができるので,実用に供し得る方法と考えられる.
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Research Products
(2 results)