2005 Fiscal Year Annual Research Report
内部円筒の偏心を考慮した二重円筒容器内液体の非線形スロッシング
Project/Area Number |
16560204
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高原 弘樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90226910)
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Keywords | スロッシング / 非線形振動 / 二重円筒容器 / 内部構造物 / 周波数応答曲線 |
Research Abstract |
本研究課題では内部に構造物を有する容器内液面の非線形スロッシング特性の解明するため,内部構造物を円筒で近似し,内部に構造物を有する容器を二重円筒容器でモデル化し,今年度は以下の点に着目し研究を行った. 1.前年度の研究成果に基づいて,様々な偏心量や内外径比を有する偏心二重円筒容器に対して,揺動モード間の内部共振等の発生する条件(液深や励振振動数)を求めるとともに,模型容器を用いた実験により,解析の有効性を検証した. 2.解析法を拡張し,揺動モード間の非線形連成を考慮して,面内揺動の周波数応答曲線を求めた. 3.電気油圧式サーボ加振機を用いて,液体を一定深さまで満たしたモデルタンクに調和ピッチング加振を行い,実際に内部共振等を発生させる.生じた液面揺動を,非接触式液位計を用いて測定し,分析した. 4.入力の励振振動数や励振振幅を変化させ,上記の実験を繰り返し,非線形液面揺動の周波数応答曲線を求めた. 5.異なる寸法の複数の模型偏心二重円筒容器を用いて,上記(1.-4.)をくり返し行い,理論解析の結果と実験結果を比較・検討し,解析法の妥当性を検証するとともに,面内揺動の周波数応答特性に対する考察を行った. 6.偏心二重円筒容器内で生じる面内揺動の周波数応答について整理し,主な特徴を以下に示す. ●近似手法により求めた周波数応答曲線は,実験結果の特徴をよくとらえている. ●円筒容器や矩形容器の場合には,低液深で硬性バネ特性,高液深で軟性バネ特性を示すことが知られているが,本研究で対象とした偏心二重円筒容器の場合には,必ずしもこの傾向は見られない. ●容器の内外径比や偏心度により,高次の振動モードの影響が大きくなる場合がある.
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