2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560210
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
曽根 彰 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (20197015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 新 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (90252543)
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Keywords | 損傷検出 / 構造ヘルスモニタリング / 波動 / 非線形 / 変調 |
Research Abstract |
本研究では,非線形性を有する損傷部位を内包する未知構造システムにおいて,構造物中を伝播する波動を用いて,損傷部位の位置と非線形特性を実時間で同定する手法を確立することを目的とする.本年度は,(1)ボルト締結部を有するはり構造物におけるボルト緩みを波動分離法により検出する手法の研究;(2)波動成分の高次統計量を解析することによって,構造物に局在する非線形損傷とその位置を検出する手法の研究;(3)ボルト継手における初期段階のボルト緩みおよび初期段階のクラックの高感度な検出を目的とした非線形波動変調法の提案,を中心に研究を行った。 1.稼働時励振力や環境外乱によって励起された梁構造物の振動をアレイセンサで計測し,分散関係を考慮することによって正方向および負方向の波動成分に分離した.これらの波動成分間の入出力関係を表す伝達関数を同定し,波数に関して逆フーリエ変換して得られる反射強度関数のパルス位置とパルス振幅によって損傷の位置と規模を同定するパッシブ損傷同定法を構築した.波動分離におけるセンサ質量の影響のモデリングを行い,センサ質量の影響を考慮した波動分離式を導出して,薄肉はりにおける波動分離精度の向上をはかった. 2.はりの振動応答データに基づき,分離された波動成分の高次統計量や相反性を特徴量とした非線形性の検出の実現可能性について検討を行った.(継続中) 3.ボルト継手の緩みやクラックなど,面の接触を伴う損傷を初期段階で感度よく検出するための手法として,構造物に貼付した圧電素子から高周波波動を入射し,これを別の圧電素子で観測することによって,損傷に起因する波動伝播特性の変化を波動の振幅変調および位相変調として取り出すことを提案した.ボルト継手を有するはりおよびクラックを有するはりを用いた実験によって,提案した手法の有効性を検討した.
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Research Products
(3 results)