Research Abstract |
本研究では,複数の物理現寒の相互作用を解析する連成有限要素解析手法を用いて,人工筋肉などへの応用が期待されている,イオン導電性高分子膜(ICPF)-金属複合材アクチュエータの動的変形挙動とメカニズムを明らかにすることを目的とした。 1.変位測定装置の準備と予備実験 波形発生器(PC,現有設備),ポテンショスタット,レーザ変位計,測定用PCからなる変位測定装置を準備し,表面に白金をメッキしたNafion膜試料の動的変形,流れる電流などを測定した。印加電圧,電極の取り付け方法,試料の固定方法,変位測定位置,応答速度等を調整した。なお,測定する変位レンジや応答速度に応じてレーザ変位計は現有設備も含めて複数を用意した。 2.連成有限要素解析コードの作成および予備解析による実験条件の決定 イオンの移動現象,水分子の拡散現象,ひずみ/応力の発生およびそれによって生じる動的変形挙動を解析する2次元,3次元非定常有限要素解析コードを作成した。既に開発している電磁構造連成解析有限要素法コードをベースにして改造し,弱連成交互解法および強連成同時解法を使用可能とした。この解析結果から,実験条件を最終的に決定した。 3.変形挙動の測定 印加電圧,波形,周波数,Nafion膜厚さ,白金メッキ厚さ,試料サイズ,試験環境(空気中,溶液中など)を変えて変位および電流等を測定し,各現象ごとに解析結果と実験結果を定性的および定量的に比較を行い,各モデルの妥当性を検証した。 4.連成効果の測定予備実験 次年度に実施する連成効果評価実験のための測定方法を検討した。試料の変形の拘束状態を変えて,電流や反力を測定することによって,連成効果の大きさを精度よく評価する方法を開発した。
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