2004 Fiscal Year Annual Research Report
確率的評価基準にもとづく非線形制御系の設計手法とその車両統合運動制御系への応用
Project/Area Number |
16560215
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
堀内 伸一郎 日本大学, 理工学部, 教授 (30181522)
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Keywords | 非線形予測制御 / 最悪入力 / 入出力安定性 / 確率的評価基準 |
Research Abstract |
本研究は,制御対象の動特性変動や入力の変動に対してロバストな非線形制御系の設計手法を提案しようとするものである.制御系の評価を確率的な評価関数で行う点,変動入力の一つとして最悪入力を用いる点などが本研究の特徴となっている.本年度は 1.非線形予測制御を拡張した制御系の設計方法 2.最悪入力の具体的な計算方法 3.最悪入力を用いた車両の安定性評価 について検討を行った. まず1については,確定外乱を考慮したモデル規範型非線形予測制御系の設計手法を新たに考案した.これは,従来提案されていた非線形予測制御を,確定外乱がある場合のモデル規範型制御に拡張するものであり,これによって異なった入力をもつシステムに対し,統一的な枠組みで非線形制御系が設計できるようになった.この方法を車両の後輪操舵制御系に適用し,その有効性を検証した.この結果は論文として機械学会論文集C編に掲載された. 2については,最悪入力を求める問題を一種の非線形最適化問題として定式化し,これを数値的最適化手法によって解く方法を開発した.また,この最悪入力を用いて入出力安定性を評価する手法も提案した.この方法によって,従来困難であった非線形システムの入出力安定性を定量的に評価することが可能になった.この結果は自動車技術会論文集への掲載が決定した. 3については,2の方法を非線形領域における車両の入出力安定性解析に適用し,その有用性を検証した.その結果,従来実施されていたJターン入力試験,フィッシュフック入力試験などは車両の入出力安定性評価法としては不十分であることが分かった.これらの結果は論文として自動車技術会発行の英文論文誌Review of Automotive Engineeringへの掲載が決定している.
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