2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560219
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
野村 康雄 関西大学, 工学部, 教授 (00103391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶川 嘉延 関西大学, 工学部, 助教授 (30268312)
大賀 壽郎 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (30327754)
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Keywords | ヘッドホン / 目標周波数特性 / 規格制定 / 頭部伝達関数 / 音響漏洩 / 測定法 |
Research Abstract |
本研究は,関西大学にて主観評価を基盤とした研究を行い,芝浦工大では物理特性の検討を分担する形式ですすめている.今期は物理特性を解析しやすいサンプルとして耳載せ形ヘッドホンに着目し,その周波数レスポンスに影響を及ぼす要素を検討した.まずIEC勧告のヘッドアンドトルソシミュレータを用いてヘッドバンドの押さえ圧力の効果を調べ、低周波数領域では大きな影響があるが,中高域の共振峰への影響は小さいことが知られた.そこで,この効果の要因を1.音響負荷の容積の大小,2.振動板と耳との距離の大小,3.音響的漏洩の大小のいずれかという仮説を立て,IEC規格の人工耳に種々のアダプタを装着して検討した.その結果,上記3.音響的漏洩の大小が低周波数領域での変化の主要な要因となっていると見なされることが知られた.来年度はこれを理論的に検証すること,及び他種のヘッドホンの物理特性の評価にこの手法を準用することをテーマとして研究を拡充する方針である. また,ヘッドホンの設計目標特性を探求する研究においては,今年度はイントラコンカ型,サーカムオーラル型,スープラコンカ型の3種類のヘッドホンについて主観評価実験を進めた.まず,評価に用いるヘッドホンを周波数特性・装着感・事前評価実験に基づき選出し,音質の悪いヘッドホンに対して頭部伝達関数(HRTF)を実現するようにフィルタ補正を行った.そして,通常のヘッドホンと補正ヘッドホンを一対比較することにより,検証を行った.その結果,イントラコンカ型についてはHRTFが設計目標の一候補になるという裏付を統計学的に得ることができた.しかし,他の2種類のヘッドホンについては,HRTFの有効性は見出すことができなかった.よって,次年度はこれら2種類のヘッドホンに焦点を絞り,設計目標周波数特性の探求を進める所存である.
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Research Products
(6 results)