2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560223
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
辺見 信彦 信州大学, 工学部, 助教授 (80256669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 道彦 信州大学, 工学部, 教授 (20021024)
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Keywords | 圧電アクチュエータ / 進行波 / バイモルフ素子 / 小型ポンプ |
Research Abstract |
本研究では,複数のバイモルフ形圧電素子で薄板に進行波を発生させて流体を搬送する新しいタイプの圧電ポンプを提案し,逆止弁を用いない薄型の小型ポンプを開発することを目的としている.駆動原理は,複数のバイモルフ形圧電アクチュエータにより進行波を発生する振動板を流路に挿入し流体を送り出すというものである,進行波を利用しているため滑らかな搬送が可能であり,アクチュエータ駆動の位相を変えることで搬送方向の反転も可能である. 本ポンプの構造は上下のケースで振動板を挟み込むような構造になっており,上下ケースの間に挟むゴムシートと金属シートの挿入枚数を変えて流路高さと固定部分の締め付け量を調整している.ポンプケースは透明なアクリルで製作されており,振動板部分での流れの様子を観察できるようにしている.種々の条件の下で多くの実験を実施し,振動板を固定している部分のしめしろが重要であることが判明し,適切な締め付け量と流路高さを調整することにより,前年度までに得られていた流量よりも大幅に流量を増大させることができた.振動板のシム材の厚さは0.1mmと0.05mmのものを用意したが,シム材の厚さが薄いほどよく流れることを明らかにした.さらに,これまで使用していたニッケル合金の42アロイのほかに,銅をコーティングした樹脂をシム材として用いた場合も検討した.その結果,樹脂のシム材による振動板は流量が約2倍に増加した.流量は無負荷状態では,約10ml/min程度まで流れるが,流量計を取り付けて計測すると,流量計自身の圧力損失が負荷となり,流量が低下してしまう.流量計にラミナー式微小流量計を用いた場合,圧力損失は10''Water Colunm以下程度である.この負荷下では約10μl/minの流量が得られた.
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Research Products
(4 results)