2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560223
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
辺見 信彦 信州大学, 工学部, 助教授 (80256669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 道彦 信州大学, 工学部, 教授 (20021024)
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Keywords | 圧電アクチュエータ / 進行波 / バイモルフ素子 / 小型ポンプ |
Research Abstract |
本研究では,複数のバイモルフ形圧電素子で薄板に進行波を発生させて流体を搬送する新しいタイプの圧電ポンプを提案し,逆止弁を用いない薄型の小型ポンプを開発することを目的としている。駆動原理は,複数のバイモルフ形圧電アクチュエータにより進行波を発生する振動板を流路に挿入し流体を送り出すというものである。進行波を利用しているため滑らかな搬送が可能であり,アクチュエータ駆動の位相を変えることで搬送方向の反転も可能である。 前年度までの成果を基に今年度は新たに樹脂ケース全体の寸法を含めた厚さ4mmのカードタイプの薄型圧電ポンプを製作した。ポンプケースは現段階では実験のため透明なポリカーボネート樹脂で製作しており,振動板部分での流れの様子を観察できるようにしている.これまでの実験により,振動板を固定部の締め付け力が重要であることが確認されているので,精密トルクドライバにより締め付け力を調整した。 振動板の進行波伝播速度が流量に及ぼす関係を調査し,伝播速度と駆動周波数および位相差を調整して駆動効率向上を検討したが,流量の増大には至らなかった。また,駆動電力と振動板の振動特性の関連を実験により調査した。その結果,進行波が順当に伝播する状況の場合に駆動電力も低下する傾向があることが分かった。しかしながら全般的に見ると,1kHz未満の周波数で駆動している現状の範囲ではあまり大きな電力変化はない。すなわち圧電素子の耐電圧の関係から制限されている駆動可能な電圧では,流量を増大させるような状況には至らなかった。結果として,流量増大のためには駆動効率を向上させる以前に,振動板の剛性を上げ,流体の押し出し力と駆動振動数を増大させて対応すべきということが明らかとなり,実用化のための課題が明らかとなった。
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Research Products
(1 results)