Research Abstract |
スポンジ・コア・ソフトラバーアクチュエータの試作およびモデル化のための基礎実験を行った.すなわち,アクチュエータ・スポンジ部に正圧を印加した場合における挙動を明らかにした.さらに,ソフトラバーアクチュエータを床ずれ防止マット及び転倒防止保護装具に応用するために,力及び位置の制御性能,外力推定性能について調べた. (1)アクチュエータ内を加圧する場合について,スポンジの構造,密度及び伸び率の違いによる特性比較として,圧力と変位に関するヒステリシスを調べた。その結果,スポンジ材質及び構造により特性が大きく異なることが明らかとなった.また,位置制御性能及び力制御性能を明らかにするために,階層フィードバック制御則適用を行った.そして,ステップ応答,周波数応答に関する実験結果により,スポンジが"2層"かつ"くり抜き"構造の場合は,スポンジの材質に関係なくほぼ同一の特性が得られることが分かった. (2)転倒時において,身体筋肉の形状が変化するものと考えられることから,転倒時の判断を行うための筋力変動部位に関する検討を行った.そして,転倒判断用センサの開発を目的として,急激な体位変化時における筋電位測定の予備実験を行った.すなわち,筋電の定量的,定性的評価方法と筋電装着部位についての検討を行った.また,筋電測定装置の取り扱いについて実地試験を踏まえ検証した. (3)寝たきり患者の姿勢変化を補助することを目的として,本年度は一層型アクチュエータをシート状に配置し,ベット用マットに応用する場合の最適な仕様(アクチュエータのサイズ,肉厚,スポンジの剛性)について検討した.また,アクチュエータに負荷が作用する時の外力を推定するために,外部負荷とアクチュエータ内圧変動の関係を明らかにし,外力推定式を導出した.そして,実際の負荷を印加することにより,外力推定式の有効性を示した.
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