2005 Fiscal Year Annual Research Report
加工性が良く高熱伝導なプラスチックを用いる冷凍機冷却型超伝導コイルの開発
Project/Area Number |
16560252
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
高尾 智明 上智大学, 理工学部, 教授 (30245790)
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Keywords | 超伝導コイル / 高温超伝導体 / 繊維強化プラスチック / 安定性 / 冷凍機冷却 |
Research Abstract |
冷凍機冷却型の超伝導コイルでは、冷凍機本体と超伝導線を適切に接触させて効率的に冷やすかが重要な設計ポイントである。そのため現在の設計では、高熱伝導な絶縁物である窒化アルミを超伝導線と接触させ、線を冷却することが多い。しかし窒化アルミはセラミックであり、硬くてもろい。そのため、超伝導コイルのユーザー側では加工が困難である。たとえ小規模な設計変更や寸法誤差により窒化アルミを小規模に切削したい場合でも、現場での加工は不可能に近い。このような不便さから、代替材料が期待されている。 そこで本研究では、高い熱伝導率を持つプラスチックを用いることにより、窒化アルミを使用する際の不便さを解消し、冷凍機冷却型コイルの扱いを容易にすることを狙い、実験的な検討を行った。用いたプラスチックはダイニーマ繊維強化プラスチック(DFRP)である。また比較のための試料として、代表的なプラスチックであるガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、窒化アルミを使用した。 77K程度まで冷凍機冷却したBi2223高温超伝導線に各種試料を接触させ、磁束流領域になる一定電流を通電して線の電圧上昇や温度上昇を測定した。その結果、GFRPが上昇の程度が大きく、すなわち最も性能が悪く、次にDFRP、性能が良いのが窒化アルミとの順番になった。 DFRPはダイニーマ繊維の含有率によって熱伝導率を変えることができるため、75%程度のダイニーマ繊維含有率であるDFRPを用いて同様の測定を行い、窒化アルミの性能には届かないものの、冷却性能向上を確認した。 今後は、試料と超伝導線の接触を良好にして測定を行う予定である。すなわち、接触力の増加による冷却性能向上、接触面にグリースなどを塗布することによる冷却性能向上などを実験的に検討する。
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Research Products
(2 results)