2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560254
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
飯田 祥二 東京電機大学, 工学部, 教授 (30057236)
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Keywords | 単相三線式配電系統 / 高力率コンバータ / 電流バランサ / 力率改善 / SVG / 高調波低減 / アクティブ・フィルタ / 多機能電力補償システム |
Research Abstract |
一般家庭や小規模店舗などに広く使用されている単相三線式配電系統には、多種多様の負荷が2系統に分けられて接続されている。需要家の都合でこれらを不特定に運転するため、2つの系統電流は不平衡になりやすい上、モータの様に低力率負荷も運転される。また、TVやパソコンの電源にはコンデンサ入力形ダイオード整流回路が使用され、これらから高調波電流が系統に流出する。本研究ではパワーエレクトロニクスを応用して、このような単相三線系統における系統電流の平衡化、力率改善、高調波低減を実行できる電力補償システムを開発する。 昨年度は、このシステムの基礎となる単相三線用高力率コンバータを検討した。さらに、このコンバータを応用し、同じ系統に繋がっている数多くの負荷が一方の系統に偏っても、系統電流を平衡にできる電流バランサを開発し、電気学会論文誌に投稿、掲載された。本年度は、この主回路構成は変えずに制御システムのみを変更し、電流バランサにSVG(静止無効電力補償装置)機能とアクティブ・フィルタ機能を追加した。これにより、負荷が誘導性あるいは容量性でもその無効電力を補償してほぼ力率100%に改善し、負荷から高調波が流出してもこれを低減して系統電流をほぼ正弦波に改善し、その上2つの系統電流をバランスするシステムに発展させた。この成果は国際会議Euro PES 2005において発表した。さらに、昨年度開発した高力率コンバータにこれらの機能を盛り込んだシステムに改良した。これを例えばインバータエアコンやIH調理器の電源部に適用すれば、交流-直流変換器としてインバータへ直流を出力してエアコンや調理器を動作させながら、同じ単相三線系統に繋がっている他の交流負荷に対して多機能電力補償システムとして作動し、系統電流の平衡化、力率の改善、高調波の低減が同時に実行できることを明らかとした。
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Research Products
(4 results)