2004 Fiscal Year Annual Research Report
零温度特性を有する超精密薄膜抵抗材料の超高抵抗率化に関する研究
Project/Area Number |
16560267
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐藤 祐一 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (70215862)
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Keywords | 薄膜 / スパッタリング / 抵抗 |
Research Abstract |
本年度は、基板温度やガス混合比等の制御が可能なスパッタリング装置を用い、作製パラメータを種々変えることによりZnO:In:N系薄膜を作製し、ZnO:In薄膜の電気的特性に対する窒素や酸素の影響、基板加熱の影響等について検討した。 ZnOとIn_2O_3との比率を変えて薄膜を作製した場合、In_2O_3混合量が9wt%の場合に抵抗温度係数(TCR)が最も小さい値が得られた。また、In_2O_3混合量が大きくなるに従い抵抗率の低下の傾向が見られた。X線回折(XRD)測定からIn_2O_3混合量が大きくなるに従い、アモルファスとなる傾向が見られたが、N_2ガスでスパッタリングしているにも拘らず、窒化物の回折ピークは見られなかった。 N_2ガスにArガスを混合し、その割合を変えて作製した薄膜においては、N_2分圧が20%以下ではN_2分圧の増加と共に抵抗率が減少したが、20%以上ではこれに反して抵抗率が増加する傾向にあった。N_2分圧が低い場合にはZnOからの酸素脱離により低抵抗率化が進み、一方、N_2分圧が高い場合にはZnOへの窒素の取り込みにより高抵抗率化が進んでいることが考えられる。N_2ガス及びArガスにO_2ガスをさらに加えて作製した場合においては、O_2ガスを加えることで酸素欠損が補充されるため抵抗率が高くなる傾向が見られたが、その温度依存性に関しては大きな変化は見られなかつた。 成膜時の基板温度を変えて薄膜を作製した場合、基板温度が高温になるに従い抵抗率が大幅に減少する傾向にあった。窒素は基板温度が高温になるほどZnO薄膜中に取り込まれにくくなるようであり、移動度の増大加効果と合わせ、これらのことが低抵抗率化に寄与していることが考えられる。
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Research Products
(1 results)