2004 Fiscal Year Annual Research Report
反応性スパッタ法による透明p型導電柱三元酸化物の薄膜作製と評価
Project/Area Number |
16560270
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坪井 望 新潟大学, 工学部, 助教授 (70217371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏志 新潟大学, 工学部, 教授 (30018626)
打木 久雄 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (50142237)
田中 久仁彦 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (30334692)
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Keywords | デラフォサイト / CuAlO_2 / 透明導電性酸化物 / p形酸化物 / 薄膜 / 反応性スパッタ / スパッタ / レーザアニール |
Research Abstract |
CuとAlを交互堆積できる既存対向ターゲット式スパッタ装置に,マスフローコントローラを導入し,酸素ガス濃度を制御可能とした。Cu及びAlスパッタ時間と酸素ガス濃度(5%〜20%)を変化させ,基板温度500℃〜700℃で反応性スパッタ法により石英ガラス基板上にCu-Al-O薄膜を堆積した。CuとAlのスパッタ時間比を制御して,[Cu]/[Al]=1の堆積薄膜を作製した、堆積薄膜の酸素濃度は,酸素ガス濃度に依存せずに約60mol%で,CuAlO_2に比べてやや酸素過剰であった。このような組成のスパッタ条件依存性は,以前の基板温度300℃の場合とほぼ同様とみなせる。基板温度500℃の場合は基板温度300℃の場合と同様にアモルファス薄膜であったが,基板温度700℃の場合はCuAl_2O_4が混在する多結晶薄膜であった。基板温度500℃〜700℃での[Cu]/[Al]=1の堆積薄膜を窒素雰囲気中で熱処理(1000℃程度)することにより導電率が増加し,3Rポリタイプのデラフォサイト構造p形導電性CuAlO_2薄膜の作製に成功した。以前の基板温度300℃での熱処理後の薄膜は,3Rポリタイプに加えて2Hポリタイプが混在したCuAlO_2薄膜であったこと,バルク単結晶では3Rポリタイプのみが報告されていることから,基板温度の高温化は高品質薄膜の作製につながる可能性がある。熱処理前の堆積薄膜での酸素濃度の減少のため,酸素ガス濃度の更なる低減を試みているが,Alターゲット間放電が不安定化するなどの課題が生じており,今後は放電条件の検討が必要である。レーザアニールの初期的データ取得のため,基板温度300℃の堆積薄膜に対して窒素雰囲気中でのKrFレーザ照射(約300〜700mJ/cm^2)を試みたところ,レーザ照射強度の増加に伴ってCu濃度の減少と共に,膜厚の減少の傾向が観られた。
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