2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560272
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
以西 雅章 静岡大学, 工学部, 助教授 (80022317)
|
Keywords | リチウム二次電池 / 反応性蒸着法 / マンガン酸化物薄膜 / スピネル構造 / マンガン酸リチウム |
Research Abstract |
Li二次電池の陽極活物質層として、スピネル構造をもつ、マンガン酸化物(LiMn_2O_4)を考えている。本研究では、反応性蒸着法によりハウスマナイト(Mn_3O_4)薄膜を生成している。反応性蒸着法では、蒸発物の金属Mnが酸素雰囲気中で酸化し、蒸着回数を重ねるにつれて、蒸着速度が減少するという重大な問題がある。薄膜組成の再現性を向上するためには、この蒸着速度を安定化する事が必須である。 平成16年度は、SUSセルを使用した酸化防止法をさらに洗練し、最適蒸着条件を調査した。これまでの研究で、初回の蒸着速度を15Å/s程度に設定することにより、Mn_3O_4薄膜が生成できることが分かっている。SUS cellの長さを10mmから70mmまで変化した時の蒸着速度について述べる。 SUS cellの長さが10mmと30mmでは初回の蒸着速度が15Å/sに到達したが、50と70mmでは、ソース温度の限界(870℃)により15Å/sに達しなかった。このことよりSUS cellの長さが長いほど、蒸発物のMnが基板に到達しにくくなり、高いソース温度が必要になると考えられる。 蒸着速度の蒸着回数依存性については、10と30mmではほぼ同じ傾向を示し、50と70mmでは10と30mmよりも勾配が急で再現性が悪かった。これは50と70mmでは、高いソース温度を必要としたためMnの酸化が活発になったと考えられる。 以上のことからSUS cellの高さは10〜30mm程度が良く、50mm以上では長すぎて良くないといえる。 XRD測定では、Mn酸化物のピークは、Mn_3O_4のみであり、(103)方位が際立って強く、その他の(204)方位などは(103)方位に比べるとかなり弱かった。 Mn_3O_4(103)の結晶特性は、SUS cellの長さが30mmの時一番良かった。次いで10、50mmの順で、70mmではピークの強度がかなり弱くなった。この結果より、Mn_3O_4の結晶を生成するには、SUS cellの長さが30mmが適していると考えられる。
|
Research Products
(3 results)