2005 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物系紫外域混晶半導体における励起子分子の局在化と光機能性
Project/Area Number |
16560274
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山田 陽一 山口大学, 工学部, 助教授 (00251033)
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Keywords | 励起子 / 励起子分子 / 混晶半導体 / 局在化 / ストークスシフト / 2光子吸収 / 窒化物系半導体 / 励起子工学 |
Research Abstract |
混晶組成不均一に伴う励起子分子の局在化とその結合エネルギーとの相関を明らかにするために、AlGaN混晶半導体における高密度励起PLスペクトルの温度依存性の測定を行った。混晶組成比の異なる5種類のAl_xGal_<1-x>N薄膜(x=0.019,0.038,0.057,0.077,0.092)を対象として、励起子発光線と励起子分子発光線のエネルギー間隔ΔEの温度依存性を評価した。その結果、Al組成比がx=0.057の試料では、極低温から50K程度までの温度領域ではΔEの値はほぼ一定であり、50Kを超えると、温度上昇に伴いΔEの値は徐々に増大していくことを明らかにした。さらに、130Kを超えると、温度上昇に伴うΔEの増大傾向は飽和することを明らかにした。このエネルギー間隔ΔEの温度依存性には、励起子と励起子分子の局在の度合いが異なることが大きく影響しており、温度上昇に伴う両者の非局在化によって説明することができる。すなわち、極低温からの温度上昇に伴い、まず、局在の度合いが相対的に小さい励起子分子が非局在化(〜50K)することによりΔEの増大が始まり、さらなる温度上昇により励起子も非局在化(〜130K)することによりΔEの増大が止まるものとして考えられる。このようなΔEの温度依存性は、他のAl組成比を有する混晶薄膜においても同様に観測された。励起子および励起子分子がともに非局在化した温度領域では、ΔEの値は非局在化した励起子分子の結合エネルギーを与えているものと考えられる。従って、この値をそれぞれの試料における局在励起子分子に対して求められた結合エネルギーと比較した結果、温度上昇に伴う非局在化により、励起子分子の結合エネルギーは約10%程度減少していることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)