2004 Fiscal Year Annual Research Report
擬2元系アモルファス透明導電膜の開発と透明電極への応用に関する研究
Project/Area Number |
16560276
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
富永 喜久雄 徳島大学, 工学部, 助教授 (10035660)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 一朗 徳島大学, 工学部, 教授 (70035624)
|
Keywords | 透明電極 / アモルファス膜 / 酸化亜鉛 / ZnO-In_2O_3 / ZnO-SnO_2 |
Research Abstract |
In_2O_3-ZnO系とSnO_2-ZnO系での透明導電膜についてスパッタ法で膜作製をおこない、それらの電気的、光学的特性やアニーリング特性について調べた。ターゲットにZnO(またはSnO_2)とIn_2O_3のセラミックターゲットを同時に対向ターゲット式スパッタ法で、Arガス中でスパッタした。ターゲットに流す電流を0〜80mAの範囲で変化させ、その時の電流比δをδ=I_<Zn>/(I_<Zn>+I_<In>)と定義した。まず、In_2O_3-ZnO系についてδ値とZnとIn/(Zn+In)組成比はほぼ一致している。膜構造はδ=0〜0.2でIn_2O_3結晶構造、δ=0.2〜0.7でアモルファス構造、δ=0.7〜0.8でホモロガス結晶構造、δ=0.8〜1.0でZnO構造を示す。Al_2O_3を不純物としてZnO:Alの形で添加してスパッタ添加したときのAl_2O_3の影響について調べた。Al_2O_3の影響はあまりなく、Al_2O_3の添加量が増えるとIn_2O_3が現れるδ値が0.2より増大する。電気的特性は2wt%添加でアモルファス相膜のキャリア密度がかなり上昇したが、3〜4wt%添加した場合キャリアの増大はあまりない。このことはアモルファス中ではAlが通常のドナーとして働いていないことを示す。Al_2O_3の2wt%添加膜では光学的バンドギャップの収縮が見られるが、3〜4wt%添加すると逆に光学的バンドギャップの上昇が見られ、膜は短波長側での透明度が上昇した。また、N_2+H_2(5%)中で短時間アニールによりアモルファス膜の表面が極端に平坦になった。これらの現象は応用上重要な結果を含むと考えられる。 SnO_2-ZnO系膜も同様に作製された。SnO_2-ZnO系もアモルファス相が存在した。アモルファス相は350℃でも存在した。低コストであるSnO_2-ZnO系において、ドーパントであるSbの添加量を増加したり、スパッタガスに酸素ガスを導入するなどして、抵抗率の減少を試みたが、抵抗率は4×10^<-2>Ωcmにとどまっており、最適条件に達していないものの、透明性は良好で、In_2O_3-ZnO系と同様に表面の平坦な膜が得られることがわかった。
|
Research Products
(5 results)