2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560279
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
橋本 修 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60237930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 慎也 青山学院大学, 理工学部, 助手 (30383508)
KUMAR Pokharel Ramesh 青山学院大学, 理工学部, COE研究支援者
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Keywords | 無線LAN / 電波吸収体 / 建材 / 伝送速度 / 遅延スプレッド |
Research Abstract |
無線通信環境の問題点を解決する設置環境側の対策手法の一つとして電波吸収体の適用が注目され、これまでにレイトレーシング法による解析や実験用ブースなどを使った実験的研究が広く行われ、種々の吸収体が提案されてきた。しかし、このような吸収体の提案に対して、無線LANを想定した環境で実際に無線LAN対応の電波吸収体を設置し、その通信環境の改善効果を実験で検討した例は極めて少ないのが現状である。 そこで、一般的な建物への適用を想定し、取り扱いが容易な一般内装建材を組み合わせた無線LAN対応の三層型電波吸収体を、小規模オフィスを模擬した空間に設置した。この空間で、IEEE802.11b準拠の無線LAN実機による伝送実験および半波長ダイポールアンテナを使った受信偏波を変えた伝搬実験を行うことにより、部屋の一部への吸収体設置による通信環境の部屋全体の改善効果について実験的な検討を行った。 この結果、まず壁1面への一般建材を用いた三層型吸収体の設置により、通信速度は設置前後で全ての測定点で向上し(平均40%)、吸収体設置による無線LAN通信速度の改善を確認した。また、壁や天井を吸収体や一般建材に置換することで遅延スプレッドは減少したが、5面金属の場合に対して壁1面を吸収体に置換した場合の方が、更に天井面を置換した場合(壁1面+天井面の置換)に比べて遅延スプレッドの減少幅が大きかった。さらに、通信速度と遅延スプレッドとの相関関係を確認し、送受信偏波を通信環境に合わせた場合、有効な通信が可能な遅延スプレッドのしきい値は120〜130nsであり、送受信偏波を垂直にした場合ではしきい値の算出が困難であること等、遅延スプレッド算出の際の偏波面を適切に選択することが重要であることが分かった。
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Research Products
(7 results)