2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560289
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
植村 哲也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20344476)
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Keywords | 強磁性トンネル接合 / 磁気ランダムアクセスメモリ / 共鳴トンネルダイオード / トンネル磁気抵抗 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高い読み出し信号比を有する磁気ランダムアクセスメモリー(MRAM)の創出に向け、共鳴トンネルダイオード(RTD)と強磁性トンネル接合(MTJ)を組み合わせた融合素子を開発することである。そのため、MTJとRTDの直列または並列接続集積構造を有するMRAMセルを構成し、回路シミュレーションとデバイス試作を通じ、MTJ/RTDメモリの素子設計、回路性能解析、製作、評価技術の確立をめざす。今年度の具体的な成果を以下に示す。 1.RTD/MTJ-MRAMの試作 初年度に得られた知見をもとに、MTJ/RTD集積構造を有するMRAMセルを試作し、その基本動作を実証した。 2.回路シミュレーションによるメモリ性能解析 前記1で試作したプロトタイプセルの評価結果をベースに、セル占有面積、アクセス速度、消費電力、動作マージン、などのメモリ性能が集積度向上につれてどのように推移するかを回路シミュレーションにより解析した。これにより、高速・大容量のMRAM実現の観点から、本研究のRTD/MTJ融合システムのポテンシャリティを明らかにした。 3.MTJとRTDを融合した論理回路の創出 MTJのフリー磁化層の直上に設けた制御電流線に流れる電流を入力信号とし、MTJの磁化状態を出力とする論理回路を検討した。 4.強磁性共鳴トンネル構造の基礎検討 NDR特性を有するMTJ素子を実現するための別のアプローチとして、強磁性層を用いたRTDの可能性について検討した。量子井戸を強磁性体により形成すれば井戸内のエネルギー準位が電子のスピン方向に依存して交換分裂エネルギー分だけシフトすることを利用すれば、大きな磁気抵抗比が実現できる可能性がある。本研究では、強磁性化合物半導体であるGaMnAsに着目し、強磁性共鳴トンネル効果に基づくNDR特性の発現条件を理論的に明らかにした。
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Research Products
(12 results)