2004 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体蛍光体と冷陰極を用いた小型高輝度深紫外ランプの基礎研究
Project/Area Number |
16560296
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
井上 翼 静岡大学, 工学部, 助手 (90324334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 明広 静岡大学, 工学部, 助教授 (70183738)
三村 秀則 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90144055)
中西 洋一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (00022137)
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Keywords | GaN / ナノ構造 / 電子線励起発 |
Research Abstract |
研究代表者が見出した柱状GaNナノ構造は発光波長370nmの近紫外領域にて非常に明るく発光する。市販されているMOCVD成長GaN薄膜と比較した場合、面積当たりの発光量はナノ構造の方が約4倍大きい。試料の断面を透過型電子顕微鏡で観察した結果、ナノ構造には一般的GaN薄膜に特有な転位が全くなく結晶品質が非常に高いことがわかった。このことが、高い発光効率の大きな理由であると考えられる。このようなナノ結晶が形成するメカニズムを調べるため、種々の条件で結晶成長を行いその結晶成長初期過程を原子間力顕微鏡で観察した。その結果、成長初期段階で基板上に形成した量子ドット状(粒径約50nm)のGaNドットが形成していることがわかった。そして、このGaNドットが成長核として柱状GaNナノ構造形成に結びっくことがわかった。GaNドットは、形成時の基板温度や、アニール温度などの条件を変化させることにより、粒径と密度を制御できることがわかった。GaNナノ構造は密度が高くなり隣接する物同士で結合が生じると、界面に転位が発生して発光強度が低下する。そのため、成長初期のドット構造制御は、高効率発光するGaNナノ構造作製においては大変重要である。 このGaNナノ構造の作製時に、原料にAlを追加するとAlGaNナノ構造が形成することもわかった。GaNナノ構造に比べてバンドギャップが広がるため、発光波長が短波長化した。実験の中で最もAlを多く含む試料では、電子線励起による発光波長は346nmであった。
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