2005 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体蛍光体と冷陰極を用いた小型高輝度深紫外ランプの基礎研究
Project/Area Number |
16560296
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
井上 翼 静岡大学, 工学部, 助手 (90324334)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 明広 静岡大学, 工学部, 助教授 (70183738)
三村 秀典 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90144055)
中西 洋一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (00022137)
|
Keywords | GaN / ナノ蛍光体 / 紫外線 |
Research Abstract |
高効率蛍光体開発のために、直径200nm以下のナノサイズ結晶(ナノ蛍光体)を作製した。高効率発光を得るためには、結晶欠陥発生を軽減することが重要である。ナノ蛍光体結晶は、密度が大きくなり隣接する結晶同士が結合成長を起こすと、ナノ構造においても界面に欠陥が発生し発光特性は劣化する。このため、ナノ結晶サイズと密度の詳細な制御が発光特性向上に重要となる。GaNナノ蛍光体成長は、初期成長核形成と核上結晶成長の二段階で行っているため、ナノ結晶サイズ及び密度は初期成長核によって決定付けられる。そこで、初期成長核の形成プロセスを種々の条件で行い、原子間力顕微鏡で観察した。原料として用いているガリウムの供給量依存性を調べたところ、供給量増加とともにサイズ・密度とも同時に増加することがわかった。また、形成核のアニール温度及びアニール時間依存性を調べたところ、ともに密度は変化せずサイズのみが変化することがわかった。特に、サイズ変化はアニール時間によって緩やかに変化する傾向が見られた。これらの結果より、初期成長核を制御するためには、まずガリウム供給量によって核密度を制御し、次にアニール温度は一定にしてアニール時間によって核サイズを制御すればサイズと密度を個別に制御できることがわかった。このようにして作製したGaNナノ蛍光体とカーボンナノ構造による冷陰極を向かい合わせにして真空管に封止した紫外線ランプ構造の試作を行った。冷陰極とGaNナノ蛍光体間に直流電圧を印加したところ、紫外線発光が得られた。紫外線ランプの発光スペクトルは、GaNナノ蛍光体の電子線励起発光測定で得られるスペクトルと同様なものであり、ランプ構造においても予想通りに紫外線発光が得られることがわかった。
|