2006 Fiscal Year Annual Research Report
多モード干渉(MMI)光導波路カプラを用いたモード多重素子の試作
Project/Area Number |
16560298
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
堤 喜代司 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (50111993)
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Keywords | 光導波路 / 多モード干渉導波路カプラ / 導波モードの多重 / 時間領域差分法(FDTD法) / 時間応答 / 反射波 |
Research Abstract |
多モード干渉(MMI)導波路カプラは、複数のモードの干渉効果により、出力端で所望の出力パターンすなわち結像を生じる。モードによって伝搬速度に違いがあり、パルスが入力された場合は、パルス幅をモード間の遅延時間差よりもある程度長くしなければならない。また、MMIカプラは、設計波長だけでなく、その波長を中心とする波長範囲で所望の出力が期待できるが、中心波長(設計波長)から離れた波長では、出力パターンの所望のパターンからの歪みにより出力端での反射が増大するものと思われる。これらの点を明らかにするために、反射波を計算でき、かつ時間応答を求めることができる、時間領域差分法(FDTD法)を用いて数値計算を行った。なお、波長は1.52μmとした。MMIカプラを用いたモード多重素子やモード分離素子を構成するために必要な、偶・奇モード分離素子、像反転素子、位相シフト素子、および加減算素子について、各モードの反射波の励振係数(振幅での)を求めた。位相シフト素子を除いて、反射波の励振係数の値は0.15以下であった。また、各モードの励振係数を求めたところ、モードの伝搬時間に差があることが確認できた。これらの励振係数は、FDTD法による電界分布の計算結果から、モードの直交性を用いて、各時刻ごと、進行方向の各位置ごとに求めたものである。更に、MMIカプラの長さの最適化を試みた。MMIカプラにおける結像の理論は、モードの伝搬定数の近似式を用いることで、見通しのよい形で作られている。従って、この理論に基づく設計が最良の出力を与えるとは限らない。0次・1次モード分離素子について、近似理論による値から変化させて探索した結果、所望の出力値に近づけることができ、高次モードである1次モードについては、出力振幅の値が1.15倍となった。
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