2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560308
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
野村 一郎 Sophia University, 理工学部, 助手 (00266074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸野 克巳 上智大学, 理工学部, 教授 (90134824)
菊池 昭彦 上智大学, 理工学部, 助手 (90266073)
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Keywords | 超格子 / 量子井戸 / 発光ダイオード / レーザ / フォトルミネッセンス / p型ドーピング / BeZnSeTe / MgZnCdSe |
Research Abstract |
1.前年度ではBeZnSeTeを活性層に用いて発光ダイオードを作製し黄色〜緑色域の発光を得、さらに5000時間以上の長寿命動作に成功した。しかし、この構造では電子と正孔を活性層に閉じ込めるための良質なバリア層がないために高輝度化やレーザ発振には至らなかった。そこで本年度は、新しいバリア層材料としてMgSe/BeZnSeTe超格子を提案した。この超格子は活性層に対し十分なヘテロバリアを有し、さらにレーザの光閉じ込め層としても有効である。本研究では、MgSe/BeZnSeTe超格子をInP基板上に作製し特性を評価した。その結果、良好なフォトルミネッセンス発光特性が得られた。超格子のMgSe層厚比を0から0.4に増加させることで発光ピークが2.36eVから2.61eVに高エネルギー化した。次に、この超格子をバリア層に用いて量子井戸構造を作製した。その結果、井戸層からの発光が明瞭に観測され、電子と正孔の閉じ込め効果が確認された。 2.InP基板上のMgZnCdSeは黄/緑色域の発光素子材料として期待されているが、p型ドーピングが困難であることが問題である。そこで、本研究ではMgZnCdSe層に高いpキャリア濃度を有する別の薄膜層を適当な間隔で挿入するという新しいドーピング手法を提案した。ここでは、高p濃度層として、ZnTe又はZnSeTeを用い、ZnCdSeやMgSe/ZnCdSe超格子のp型化に応用した。その結果ZnCdSeでは、従来は6x10^<16>cm^<-3>程度であったp濃度が8x10^<17>cm^<-3>まで大幅に改善された。また、MgSe/ZnCdSe超格子に応用した場合、2.33eVの広い禁制帯幅においても4.6x10^<17>cm^<-3>の高いp濃度が得られた。以上より新しい手法がMgZnCdSe系材料の高p型化に有効であることが示された。
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Research Products
(4 results)