2005 Fiscal Year Annual Research Report
携帯端末用SAWフィルタの関数論的回路構成に関する研究
Project/Area Number |
16560339
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西 哲生 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40037908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 将人 九州産業大学, 工学部, 講師 (90325548)
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Keywords | 表面弾性波フィルタ / SAWフィルタ / 回路設計 / 関数論的回路合成理論 / 分布定数回路 / アンテナ分波器 / 携帯端末 |
Research Abstract |
本年度は、携帯端末中のアンテナ分波器で用いられる表面弾性波フィルタ(SAWフィルタ)の関数論的・回路構成論的な新しい設計法の開発に関連した3項目について研究し、それぞれの項目において有意義な成果が得られている。特に、分布定数回路の解析・構成法はSAWフィルタの設計法に密接な関連をもっており、申請期間の最終年度である来年度では、以下の研究成果をふまえたSAWフィルタの系統的設計手法をまとめる。 (1)LSI配線における超高周波信号伝播の数値解析手法 CIP(Cubic Interpolated-polynomial Propagation)法は、電磁波をはじめとした波動方程式の高精度な数値解析手法として最近注目されている。LSI内やLSI間配線を分布定数線路とみなし、様々な分布・集中混在回路の数値解析手法が提案されているが、CIP法を適用する研究例は知られていない。CIP法は格子点間の三次補間多項式を伝播しながら、各時刻の数値解を求める手法である。高速パルス信号の伝播シミュレーションでは格子点間に急峻な変化が存在し、非単調な補間多項式が原因である数値解の誤差がCIP法では生じる。ここでは、数値解の誤差について理論的な評価を行うために、格子点幅に関して補間多項式が単調となるための必要十分条件を導出した。 (2)スイッチング電源の回路構成法 電子機器のオンボード電源に最も多用されるDC-DCコンバータは、直流電圧を任意の電圧値に変換する電力変換器である。スイッチング方式コンバータの基本的な構成素子は,スイッチ(ダイオード),キャパシタ及びインダクタであり、これらの回路素子の接続構造がコンバータの基本的な特性を決定する要因となる。ここでは、変成器を含む絶縁型コンバータと4スイッチ非絶縁型コンバータに関する回路接続構造の必要十分条件、および目の子算で全てのコンバータを網羅できるグラフ構成法を導出した。 (3)CNNに現れる安定な定常パターンの特徴づけ セルラニューラルネットワーク(Cellular Neural Network, CNN)は相互結合型ニューラルネットワークの一種である。主な応用分野は画像処理であり,特に実時間画像処理への応用が期待されている。また、結合が局所的であることから集積回路による実装が容易である。ここでは、CNNを用いた信号処理に関する基礎的な課題である、一次元に配置された離散型CNNが任意の入力に対して安定となるための結合係数に関する必要十分条件を導出した。
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Research Products
(5 results)