2004 Fiscal Year Annual Research Report
長波長面発光レーザのファイバグレーティングによるスペクトル制御と波長多重光通信
Project/Area Number |
16560342
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
水波 徹 九州工業大学, 工学部, 教授 (00174029)
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Keywords | 面発光レーザ / VCSEL / ファイバグレーティング / 狭帯域化 / 光ファイバ / 水素処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、シングルモードファイバ上に製作したファイバグレーティングを用いて、1300nm帯の面発光レーザの狭帯域化を図ることである。1300nm帯の面発光レーザはPicolight社から製品の発売が予告され、データシートも発表されているが、発売が遅れており現在まだ入手できない。そのため今年度は、800nm帯の面発光レーザを用い、シングルモードファイバおよびマルチモードファイバ上にグレーティングを製作して、スペクトルの狭帯域化の実験を行った。本実験では、シングルモードファイバおよび分布屈折率型マルチモードファイバに位相マスク法を用いてグレーティングの書き込みを行い、作製したファイバグレーティングを用いて面発光レーザの発振スペクトルの狭帯域化を行った。 始めにシングルモードファイバを高圧水素処理し、KrFエキシマレーザを光源として、グレーティングの書き込みを行い、面発光レーザの狭帯域化を行った。ブラッグ波長847.1nm、反射率53%のファイバグレーティングを発振.波長847.2nm(電流2mA)の面発光レーザと結合させて、スペクトル半値幅を測定したところ、ファイバグレーティングを使用しないとき120pmの半値幅が60pmとなり、スペクトル幅を半減させることができた。 次に、分布屈折率マルチモードファイバを高圧水素処理してグレーティングの書き込みを行ない、これを発振波長848.5nm(電流8mA、スペクトル半値幅120pm)の面発光レーザに結合した。ブラッグ波長848.6nm、最大反射率49%のファイバグレーティングを用いたとき、ファイバグレーティングの温度を最適化すると、最大で40pmスペクトル半値幅が減少し80pmとなった。ファイバグレーティングの温度依存性は7.5pm/℃と求められ、モード理論を用いて狭帯域化の機構について論じた。 またシングルモードファイバに1300nm帯のグレーティングの書き込みを行い、所定の反射率が得られる条件を確かめた。 さらに、これらのファイバグレーティングの製作の際には高圧水素処理を行うことが不可欠であったが、水素の役割については、その機構が十分に解明されていない。そこで、光ファイバ中の水素の拡散について、有限要素法を用いて挙動を解析し、水素の効果の現れやすい長周期グレーティングを製作して理論との比較を行った。これにより、従来の方法より水素拡散の効果が的確に解析できることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)