2004 Fiscal Year Annual Research Report
アドホック無線センサーネットワークにおける自律分散チャネルアクセス方式の開発
Project/Area Number |
16560344
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
榊原 勝己 岡山県立大学, 情報工学部・情報通信工学科, 助教授 (10235137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山北 次郎 岡山県立大学, 情報工学部・情報通信工学科, 教授 (20145816)
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Keywords | アドホックネットワーク / センサーネットワーク / MACプロトコル / エネルギー効率 / バックオフ・アルゴリズム / スループット |
Research Abstract |
無線LANをはじめとするアドホック・ネットワークでは,複数の端末が同一周波数を用いて情報の伝送を行うため,通信路での競合が発生する.これより発生するパケット衝突を緩和する目的で,バックオフ・アルゴリズムが広く用いられている.現時点では,無線LAN規格として広く普及しているIEEE 802.11 DCFが,アドホック・ネットワークにも利用されつつある.IEEE 802.11 DCFに関する従来の解析モデルは,各端末における情報フレームの発生過程が飽和している状態にのみ適応可能なものであった.本年度では,端末でのフレーム発生過程が飽和していない状態に対しても適応可能な解析モデルを構築し,IEEE 802.11 DCFのスループット,伝送遅延時間特性およびエネルギー効率に対して評価を行った.解析結果は計算機シミュレーション結果とよく一致しており,近似解析の妥当性を確認することができた.次に,情報フレームの長さを変化させた場合のエネルギー効率を算出した.ここで,1個の情報フレームを1度送信するために消費されるエネルギーと1個の情報フレームの(再送を含め)送信に成功するまでにユーザが消費するエネルギーの比をエネルギー効率と定義する.スループットが高く維持されている領域(情報フレームの発生確率が0.001以上では,エネルギー効率は数%であり,ほとんど全てのエネルギーが無駄に使用されていることがわかる.これを精査するため,情報フレームが伝送に成功するまでに消費されるエネルギーを6種に分類し,各カテゴリーでのエネルギー消費割合を調べた.これより,約65%のエネルギーが他ユーザ宛の情報フレームを受信するために消費されており,このカテゴリーでの消費エネルギーを軽減するプロトコルを開発することで,全体の消費エネルギーを軽減することが可能であることが明らかとなった.
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Research Products
(4 results)