2004 Fiscal Year Annual Research Report
緊急・重要通信のためのIPネットワークサービスのアシュアランス化
Project/Area Number |
16560345
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
石田 賢治 広島市立大学, 情報科学部, 教授 (70221025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟阪 淳一 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (60322377)
小畑 博靖 広島市立大学, 情報科学部, 助手 (30364110)
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Keywords | アシュアランス技術 / 緊急・重要通信 / IPネットワーク / SCTPパス切替え方式 / 代理サーバ技術 / 並列通信 |
Research Abstract |
品質の保証が無いIPネットワークであるインターネットを通信路として利用する通信サービスは、最悪の場合、生命の危機にあるような重要な瞬間に通信サービスが提供されない可能性がある。このような問題の解決を目指した緊急・重要通信技術の開発が必要である。現在、ニーズの異種性と状況変動に対する適応性を満たし異種システムを共存させる技術としてアシュアランス技術が注目されている。本研究の目的は、このアシュアランス技術をIPネットワークサービスに対して適用し、IPネットワーク上で緊急・重要通信サービスを実現するために必要となる基礎技術を確立することである。 まず、マルチホーミング機能を持ち、ネットワーク変化への適応性が高いトランスポートプロトコルであるSCTPに着目し、その緊急通信サービスへの適応可能性を検討した。従来のSCTPはパス切替えに時間がかかり、緊急通信に必要となる実時間性を満たせない。そこで、帯域と遅延を考慮した新たなパス切替え方式の提案を行った。次に、ネットワークシミュレータNS2を用いて提案方式と従来方式とを比較評価した。その結果、提案方式は転送にかかる時間および転送に成功したデータ量が向上し、緊急通信サービスの提供に望ましいことが分かった。 次に複数のサーバと同時に通信を行う我々が開発中の代理サーバ技術の重要通信技術への適応可能性について考察した。従来の代理サーバは、1台のサーバと通信するため、選択したサーバが利用不可になると通信サービスが中断し、重要通信において問題となる。そこで、複数台のサーバからデータを同時かつ並列的に取得する技術を代理サーバに組み込んだ。実ネットワークを用いて提案方式を評価した結果、複数台のサーバを用いることでデータ転送の中断が生じにくく、提案方式は重要通信に適していることが分かった。
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