2004 Fiscal Year Annual Research Report
赤外光ワイヤレス高速通信における強雨時伝送特性の解明に関する研究
Project/Area Number |
16560347
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
伊藤 繁夫 東洋大学, 工学部, 教授 (30223150)
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Keywords | 伝送特性 / 降雨 / ワイヤレス通信 / 赤外光 |
Research Abstract |
光ワイヤレス通信回線は、簡便で安価に回線設計ができ、また高速通信が可能なため、新たな通信形態として普及しつつある。しかしながら、降雨時の通信エラーの発生、また最悪の場合には、通信遮断が起きるというような問題点について、その発生メカニズムは十分解明されていない。 本研究では、これらの通信エラーの原因がどのようにして引き起こされるかを解明するため、赤外光の降雨時における伝送特性について研究を行なっている。今年度は、まず一粒の雨滴による光散乱現象に的を絞り、室内にてほぼ直径2mmの雨滴を落下させ、その雨滴による散乱状態を動画カメラで撮影して、その散乱状況を分析した。その結果、頻度は極めて少ないものの、ほぼ同じサイズの雨滴による散乱断面積が非常に大きくなり、散乱強度分布も中心軸上の方がその周囲に比べて弱くなる場合がある。そして、これらの現象は、従来の通常の幾何光学的散乱理論の考え方からすると、単純には説明がつかないことがわかった。また、降雨時のこの特異な散乱現象が、通信エラーの原因を引き起こしているのではないかとも考えられが、これらと同時に、多数の雨滴によって散乱された波の干渉効果と見なした方が、より現実的であると推測している。これまでに、光波帯では、ミリ波帯に比べて減衰が少ないことを明らかにしており、これらの点を踏まえ、多数の雨滴による干渉効果について、多重散乱理論に立ち戻って、数値積あるいは解析的な観点から検討を始めている。
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Research Products
(3 results)