2006 Fiscal Year Annual Research Report
非線形光学効果を用いた光ファイバ分布増幅器における雑音光低減方法の研究
Project/Area Number |
16560349
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
村上 泰司 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (30330153)
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Keywords | 光ファイバ増幅器 / 誘導ラマン散乱効果 / 反射光雑音 |
Research Abstract |
光ファイバにおける誘導ラマン散乱効果を用いた光増幅器作用について、反射による雑音光発生のメカニズムを理論と実験の両側面より研究している。 18年度では、次の成果を得ることができた。 1.増幅利得の偏光面依存特性に関する研究 (1)信号光の偏光面と励起光の偏光面が一致する場合のみラマン増幅が起きることが知られているが、その現象を確認する目的で増幅利得の偏波面依存特性を求める実験を行った。その結果、信号光と励起光との偏光方向に依存せず、同程度の利得が得られた。 (2)偏光面は光ファイバを伝搬することにより回転するがその回転角度は伝搬光の波長により変化すること、一方偏光度は100km長の光ファイバを伝播してもほぼ一定であり劣化が少ないことを確認した。すなわち、偏光面の回転角が波長により異なるため、信号光と励起光の偏光方向が平均化される結果、利得に偏光依存性が生じないことを明らかにした。 2.コネクタ端面反射による二重反射雑音の発生 (1)1550nm分散シフト形光ファイバ50kmと1310nm零分散純粋コア光ファイバ100kmを用い、コネクタ端面での反射光パワーを変化させて、増幅利得を測定した。その結果、接続損失が平均0.1dBと小さいにもかかわらず、反射光パワーに1dB程度の差があると利得に差が生じることを確認した。 (2)1〜2dBの接続損失がある場合、増幅利得が3dB程度低減した。この原因を探るため、光スイッチにより信号光を遮断して二重反射雑音を直接測定する実験を行った。その結果、直接測定できる程度には二重反射雑音は生じていないことがわかった。増幅利得が6dB程度と低いことが原因であると思われる。 以上の結果より、次の内容についての研究を引き続き進める。 1.10dB以上の利得条件において、反射雑音光パワーを、実験的に求めるとともに、その低減方法を検討する。 2.信号誤りの発生条件から、二重反射雑音の許容範囲を明らかにする。
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Research Products
(1 results)