Research Abstract |
(1)ユビキタスネット時代のアドホック・マルチホップ無線アクセスシステムに関する研究 本研究では,次世代無線通信ネットワークであるミリ波(70GHz)帯を使用した1Gbps以上の伝送性能を有するアドホック無線アクセスシステムを開発するために,周波数特性と転送遅延プロファイルを測定し,アドホック通信における伝搬環境の特性,伝搬損失,周波数特性,周波数相関,周波数相関特性と遅延プレッドを導出したことにより新しいプロトコルの提案とその評価を行った.さらに,動的に端末属性を変更することを特徴とする次世代無線通信マルチホッププロトコルを提案した. (2)情報通信ネットワークにおける高効率通信方式と性能評価に関する研究 本研究では,(a)交換機の休暇期間を考慮したスイッチバーチャルチャネル(SVC)を用いるパケット通信ネットワークに関する性能解析を行い,応答時間,接続確立率,休暇期間の長さによる影響等,多角度から評価を行った.(b)マルチメディアトラヒックを扱う統合型通信ネットワークを対象に,音声や画像等のリアルタイムのトラヒックに送信の優先権を与え,システム全体の性能改善を図る多重アクセス方式を提案し,システムの性能解析と評価を行った.(c)チャネル数とトラヒック到着の依存関係を解明し,交換機の休暇期間,トラヒックの離脱等を考慮した最適なサービス率等を導出する方程式を与え,最適化手法や制御理論等の技法を取り込んだ新しいシステムの設計,評価法を開発した.(d)データマイニングの自動化テクニックやデータベース技術によるマルチメディア情報通信ネットワークの性能評価システムの構築を行った. (3)情報通信ネットワークにおける周波数帯域配分に関する最適化 本研究では,(a)トラヒックエンジニアリングの分野で最も重要とされるトラヒックの不確定な需要に対して条件付きリスクアプローチCVaRを解析に導入して周波数帯域配分に対する最適化確率モデルを提案し,ネットワーク利得不足によるリスクを考慮に入れたオフライントラヒックエンジニアリングの最適化を図った.数値結果により,多方面からネットワーク利得不足によるリスクのシステム性能への影響を明らかにすると共に性能制御方式を提案した.(b)通信システムのような不確定な環境におけるシステム設計のため,一般化されたマルコフ決定過程モデルとマルコフ過程の理論を適用した複数の最適化手法を提案し,その応用例を示した.(c)高度な情報通信ネットワークにおけるストリーミングQoS制御における動画像品質検証も行い,ストリーミングの特徴を明らかにした.
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