2004 Fiscal Year Annual Research Report
DSPを用いた実時間コーンビームX線CT再構成プロセッサ
Project/Area Number |
16560367
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森川 良孝 岡山大学, 工学部, 教授 (30033252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 延元 岡山大学, 工学部, 助教授 (80174762)
村上 純一 詫間電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (70200269)
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Keywords | X線CT / コーンビーム投影 / ラドン変換 / フィルタバンク / 全域通過フィルタ |
Research Abstract |
本研究は、当初HUNT製HERONモジュールと呼ばれるDSPプロセッサを購入して遂行する予定であったが、注文台数が少ないため商談に応じられないとの返事をHUNT社から得た。急遽他の高速DSPを検討し、以下に報告するように他のDSPを購入して研究を遂行している。 本研究の第1段階では、木構造フィルタバンクによる2次元CTアルゴリズムをDSPに実装し、実時間表示が可能なビデオレートである30m秒以下の処理時間を達成する計画であった。本研究の準備段階におけるPC(Pentium4-2GHz)による実装では、すでに、この速度を達成していたが、既存の浮動小数点DSPでは困難であった。当初計画では、高速固定小数点DSPを採用することにより、速度の向上を達成する見込みであった。しかし、固定小数点演算では、丸め誤差の影響が避けられないことから、演算の各段階で誤差の累積を防ぐ必要があり、プログラムが複雑となる。また、3次元再構成における誤差の累積は、2次元のそれとは挙動が異なることから、2次元の結果を直ちに3次元に適用できるかどうかは疑問である。そこで、より高速な浮動小数点DSP(Analog Devices社Tiger SHARC)を複数個採用し、マルチプロセッサとして構成することにより、所定の目標を達成することとした。 DAS(Data Acquisition System)によるデータ収集は12ビット程度であることから実数演算は32ビット単精度計算で十分である。また、16ビット固定小数点演算による実装を試みたところでは、2次元再構成については一定値の誤差修正のみで許容範囲となったが、3次元では異なる結果となった。採用したDSPは、単精度では倍精度に比べて高速であり、固定小数点演算はパイプライン処理による並列化が可能である。そこで、演算は単精度実数演算により行うこととした。実装結果は、8個のマルチプロセッサ構成により当初目標の30m秒を達成できた。この理由として、全域通過フィルタを用いた高速な高域強調フィルタ処理を行ったこと、繰返し演算蔀において最適化を図ったこと、マルチプロセッサ間における処理の同期化と並列化を適切に行ったことがあげられる。 なお、この手法は直ちに3次元再構成に適用可能であると考えている。
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Research Products
(1 results)