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2005 Fiscal Year Annual Research Report

DSPを用いた実時間コーンビームX線CT再構成プロセッサ

Research Project

Project/Area Number 16560367
Research InstitutionOKAYAMA UNIVERSITY

Principal Investigator

森川 良孝  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30033252)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 村上 純一  詫間電波工業高等専門学校, 教授 (70200269)
KeywordsX線CT / 再構成アルゴリズム / 実時間 / コーンビーム / DSP
Research Abstract

X線CTの一般的な2次元再構成アルゴリズムとして,「畳込み-逆投影(CB)法」が知られている.CB法では,まず個々の投影信号に対して畳込みを用いた高域強調処理を施し,それぞれの投影方向に沿って逆投影する.次に,これらの逆投影信号の和を求めて再構成画像を得る.前半部の畳込み処理や後半部の逆投影処理の内挿計算が,CB法の計算が多くなる理由である.これに対し,提案法では,差分演算と全域通過フィルタを用いたHilbert変換により前半部の高域強調処理を実現する.また,後半部の逆投影処理を木構造フィルタバンクによる合成処理により実現する.これら2つの新たな実現法の採用により演算量を大幅に削減でき,高速な再構成処理が可能となる.更に,3次元再構成は,3軸方向に独立して2次元木構造フィルタバンク処理を行うことで達成できる.シミュレーションによれば,提案する再構成アルゴリズムは従来法と比較し,2次元の場合約12倍,3次元の場合約280倍の高速化を達成した.
本研究では,この提案アルゴリズムを固定小数点演算DSPであるTMS320C6416(Texas Instruments社),及び,浮動小数点演算DSPであるADSP-TS101/TS201S(Analog Devices社)に実装した.固定小数点演算DSPへの実装では,16bitの丸め誤差による精度の悪化を考慮してビットシフトをフィルタ処理部と画像出力部に配分したことにより,浮動小数点演算と変わらない精度でほぼ実時間観測が可能な処理速度(33m秒)を達成した.また,浮動小数点演算DSPへの実装では,一般に,固定小数点演算よりも処理速度が遅い問題があるが,最適化や並列化手法を用いて処理速度の向上を図り,実時間観測可能な処理速度を達成した.
3次元再構成もDMAや分散処理を行うことでリアルタイム処理が可能であると考えられる.シミュレーション結果より256×256×256画素の再構成には約10倍の60秒を要すると推測され,理想的な16並列処理の場合,再構成時間は約3.8秒に短縮可能である.また,リアルタイム処理には約2000の並列処理を要するという推定値が得られた.
提案アルゴリズムの特徴はメモリー配列を種々な方向にアクセスすることであり,大きなキャッシュがあるかどうかも重要な検討課題である.そこで上記と同様の試算をPentium4(2.6GHz)について検討したところ同サイズの再構成に約20秒程度必要でありDSPに比べて3倍高速であった.近年CPUの高速化だけでなくメモリーの高速化も進んでおり,たとえばXeonクラスのプロセッサ1台で同サイズの3次元画像が秒単位で再構成される時代になったと考えられる.

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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