2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560374
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
江崎 秀 近畿大学, 産業理工学部, 助教授 (70185114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯山 悟 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (80176057)
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Keywords | 化学感覚 / 味センサ / 脂質高分子膜 / 基本味 / 複合味 / 相互作用 |
Research Abstract |
現在の味センサの出力はセンサ素子固有のパターンであるため食品に直接関係の無い数値であって、利用者にとって判りやすい出力形式ではない。この出力パターンを基本味強度に変換することが本研究の内容である。基本味強度は総ての食品や飲料に共通の判りやすい尺度であり、味を基本味に分解することはセンシングシステムの実用化に重要である。この目的を達成するために、平成16年度は主に次の事項を検討した。 1.複合味溶液に対する味センシングシステムの応答特性 既に5基本味の単独味溶液に対する脂質高分子膜の応答特性は得られているが、複合味溶液の応答特性は充分に把握されていない。複合味溶液において味物質間の相互作用があり、複合味が単独味の線形和にならないためである。そこで、様々な味物質の種類と濃度の組み合わせに対し味センサの応答特性を求め、未知の複合味溶液の種類と濃度を推定するために出力パターンのデータベースを作成した。また、人間の官能評価との対応を調べるために、ケーススタディとして自然塩による食塩水に対する応答特性も求めた。 2.複合味溶液に対する人間の官能評価試験 複合味溶液に対する味センサの応答特性と同時に、人間の官能評価を併せて行った。人が数十種類に及ぶ味溶液を一度に客観的に評価することは困難である。そこで複合味溶液のケーススタディとして、自然塩による食塩水に対して官能評価を行い味センサの出力と比較した。その結果、味センサの出力と官能評価は複合味の相互作用に共通性があることが確認できた。 3.味センシングシステムの複合味応答による基本味の推定システムの構築 複合味は単独味の線形和にならないため、味センサの出力パターンから基本味強度への変換は非線形変換が必要となる。そこでニューラルネットワークを用いた変換プログラムを作成し、良好な学習結果を得た。
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