2005 Fiscal Year Annual Research Report
被験者データの信頼性の確保-感性情報の客観的計測に向けて-
Project/Area Number |
16560375
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Research Institution | Takarazuka University of Art and Design |
Principal Investigator |
井口 征士 宝塚造形芸術大学, メディアコンテンツ学部, 教授 (90029463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 研 広島国際大学, 人間環境学部, 講師 (70320421)
糸川 裕子 広島国際大学, 人間環境学部, 助手 (40341234)
大須賀 美恵子 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (10351462)
長田 典子 関西学院大学, 理工学部, 助教授 (50368453)
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Keywords | 感性情報 / 生理指標 / 心理評価 / 呼吸 / 鼻部皮膚温 / fMRI |
Research Abstract |
「感性情報は主観的である」という前提では、心理学的主観評価をベースにした研究では、「被験者は本当に提示刺激に意識を集中していたのか」と疑いを抱かせる。これに対して人間は、感動、快感、悲哀、苦痛などの感情を抱く際、背筋がぞくぞくする、顔がほころぶ、顔がこわばる、青ざめる、声が上ずる、息を呑む、手に汗を握る、冷や汗をかくなど表情変化や生理現象を伴う。そこで生理センサにより主観的感性情報を客観的に捉える計測の研究を行い、客観的な感性情報を取得する可能性について検討を行った。具体的には、呼吸、脈波、鼻部皮膚温、皮膚電位の計測データに対し、内省データと無意識下のノンバーバルな感性指標の対応付けを行い、内省データ(主観データ)が客観的データ(生理指標)で裏付けられているか否かの研究を行った。 1)呼吸、脈波、鼻部皮膚温および皮膚電位反応を用いた被験時の心的緊張感の測定 クレペリンテストや風船割りのようなメンタルストレス時の心的緊張感について、アンケート評価ではどのような生理指標が有効であるかを検討した結果、呼吸が重要な情報を担っていることが判明した。 2)近赤外カメラ画像による鼻部皮膚温の計測 コミュニケーションにおいて顔の表情は相手の心を読む上で重要なキーである。覚醒度の指標として関心がもたれている鼻部皮膚温を検討したが、装着の問題が障害となって期待できるデータは得られていない。 3)fMRIによる「刺激への集中度」の計測 関西けいはんなにあるATRにある脳イメージングセンタのfMRIを用いた実験を行った。当初、生理指標をfMRIで確認することは難しいと思っていたが、共感覚保持者(現在確認されている被験者は「色聴保持者」)を対象に音楽刺激時の脳内視覚領域(V4野)の活性化の計測を行い、感性情報研究へのfMRIの利用の可能性を示したが、装置の関係で本目的にはまだ時期尚早である。。
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Research Products
(6 results)