2004 Fiscal Year Annual Research Report
非線形現象の発現・操作による柔軟劣駆動マニピュレータの運動制御
Project/Area Number |
16560377
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藪野 浩司 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (60241791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青島 伸治 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 教授 (60013710)
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Keywords | 分岐現象 / 非線形現象 / 高周波加振 |
Research Abstract |
本年度は、フリーリンクが柔軟な2自由度劣駆動マニピュレータの運動方程式を導出し、高周波加振によるフリーリンクの運動制御法を提案した。まず、多重時間尺度を導入し、摂動法を用いて、解析をおこなって弾性モードと剛体モードに関する平均化方程式を求めた。つぎに平均化方程式に対して分岐解析を行い、フリーリンクを重力とは逆の方向への振り上げそしてその状態での安定化が状態でフィードバック制御を用いずに達成された。すなわち、フリーリンクに発生するピッチフォーク分岐を完全超臨界から摂動を受けた超臨界さらに摂動を受けた亜臨界、そして完全亜臨界と変化させることにより、安定な平衡点を変化させた。フリーリンクはその安定状態の変化に追従して振り上がり、最終的に安定な倒立状態へと位置決めされる。つぎに、より柔軟な弾性体(自重で座屈する梁)について、高周波加振による座屈状態から安定で自明な平衡状態への安定化制御法の可能性を理論的に解析し、それが可能であることを分岐理論を用いて指摘した。この場合固有関数はベッセル関数になるが、前述の方法と同様に多重時間尺度を導入し、固有関数の直交条件から可解条件すなわち平均化方程式を導いた。平均化方程式の解析によって、高周波加振は座屈状態を安定化する役割を持つことが明らかにされた。模型を用いた実験を行い、分岐点が高周波加振によりシフトし、自明な平衡点が不安定化する様子を確認した。
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