2005 Fiscal Year Annual Research Report
ロバスト適応制御理論に基づくカオス暗号通信システムの安全性解析に関する研究
Project/Area Number |
16560390
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
松尾 孝美 大分大学, 工学部, 教授 (90181700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 修 茨城大学, 工学部, 教授 (00303016)
末光 治雄 大分大学, 工学部, 助手 (50162839)
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Keywords | ロバスト制御 / むだ時間 / パラメータ推定 / セキュリティテスト / Error Function Attack / 暗号器 / 復号器 / 選択平文攻撃 |
Research Abstract |
情報通信において送信信号を暗号化することは個人的なデータを秘匿して送るのに欠かせない技術である.最近,連続値連続時間カオス暗号通信系を制御システム理論を用いて構成する方法が提案されている.制御理論流に解釈すると,送信側で変調され,さらにencrypter(暗号器)と呼ばれるカオスシステムにより励振された信号を受信側においてdecrypter(復号器)と呼ばれる同期化カオスシステムを用いて推定し,その後復号化するものである.しかし,連続値連続時間暗号系のセキュリティ評価指標は,ディジタル系と違い,いまのところ提案されていない.このため,システム同定や適応同定手法などを考慮した暗号系の安全性解析の基礎理論をつくる必要がある.さらに,むだ時間やノイズに対するロバスト性を確保しながら,適応同期化の不可能な条件を導出することにより安全性の高いカオス暗号通信システムを構築することが必要となる.本研究では,連続値カオス暗号通信系の安全性解析の基礎理論および設計理論を構築することを目的としている.本年度は,オブザーバおよびフィルタ設計としての観点から復号器を設計する.まず,安定化補償器の出力フィードバックベースのパラメトリゼーションからQパラメータをもつロバストフィルタを導出し,それをカオス暗号システムに適用した.その結果,伝送信号の時間遅延に対して,ロバストな暗号システムを設計することができた.また,システムのセキュリティを高めるための設計指針を提案した.さらに,選択平分攻撃に対するセキュリティ診断のためにWangらの提案した誤差関数を拡張したリアルタイム型誤算関数を導入するとともに,その統計量である尖度がセキュリティ尺度として有用であることを計算機シミュレーションにより確認した.一方,ニューラルネットワークを用いて,選択暗号文攻撃を試みるとともに,未知システムの同定問題の計算機を用いたシミュレーションを行った.
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Research Products
(3 results)