2005 Fiscal Year Annual Research Report
粒状供試体の6自由度試検数値シミュレータの関発とその応用
Project/Area Number |
16560428
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岸野 佑次 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005448)
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Keywords | 粒状体 / 粒状要素法 / 数値試験 / 弾塑性論 / 塑性流動則 / 滑動接触テンソル / 動的せん断特性 / クリープ |
Research Abstract |
本研究は,粒状材料の微視構造を導入した「粒状供試体の6自由度試験数値シミュレータ」の開発と,これを用いた静的および動的状態にある粒状材料の構成モデルの検討を目的としている. この目的のため,本年度は,次年度に引き続き,数値シュミレータの改良およびそれを用いた粒状体構成則の研究や動的特性の考察を行った. 静的コードを用いた研究では,一連の単調載荷試験およびプローブ試験を行い,粒状体の弾塑性挙動の詳細な考察を行った.本年度はとくに,粒状体の塑性流動則の理論構成を数値シミュレータによる数値試験を参照することにより行なった.この理論を用いて予測されたひずみ増分は数値試験より直接求まるひずみ増分を高精度で予測するものであるという結論を得た.この理論の骨子は,粒状体内部で生じるエネルギー散逸を粒子間の滑り摩擦の統計量として新たに定義した滑動接触テンソルを用いて評価することにより,散逸仕事最大原理に基づいて塑性流動則を誘導したものである.予測精度の高い理論が得られた背景には,数値試験シミュレータが粒状体内部で生じる力学挙動の微視情報を必要なだけ抽出することを可能にすることにあると言うことができる. 一方,動的シミュレーションについてはせん断挙動に及ぼす拘束圧およびせん断速度の影響を調べ,拘束圧をある程度与えた場合にせん断応力のせん断速度依存性がみられることがわかった.また,水が介在しない密な粒状体のせん断挙動における速度依存性を調べる目的で擬似的な数値試験シミュレータを新たに開発し,粒子間摩擦係数を相対速度依存型とすることにより,乾燥した粒状体であってもクリープ的な現象が生じ得ることを示した.
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Research Products
(6 results)