2004 Fiscal Year Annual Research Report
凍結融解による透水係数の変化を利用した汚染土壌洗浄技術に関する研究
Project/Area Number |
16560438
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
伊藤 譲 摂南大学, 工学部, 助教授 (30281752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嘉門 雅史 京都大学, 大学院, 教授 (40026331)
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Keywords | 土壌汚染 / 凍結融解 / 透水係数 / 凍上 |
Research Abstract |
本研究の目的は,凍結融解を利用した汚染粘性土地盤の通水洗浄技術について,次の諸要因の透水係数に及ぼす影響を明らかにすることである。 1.給排水条件,2.凍結方法,3.上載荷重,4.拘束条件,5.土質条件 さらに,6.一旦は増加した透水係数が「経過時間とともに低下する現象」について,その原因を解明して対処方法の提案を行うことである。 本年度は,2.から5.までについて実験的検討を行った。その結果,以下の事が明らかとなっている。 (1)凍結時の温度降下速度と温度勾配,それに伴う凍結速度共に,凍結融解後の透水係数には影響を及ぼさない。つまり,これ以外の外的条件と土質が同じであれば,融解後の透水係数はほぼ一定の割合増加する。 (2)上載荷重が大きくなると,透水係数増加の割合は低下する。しかし,低下の程度は土質により異なる。 (3)熱流方向に荷重を受けて凍結融解する場合(自然凍上の条件)よりも,熱流直角方向に荷重を受けて凍結融解する方が融解後の透水係数増加の割合は大きい。 (4)国内の代表的な粘性土について検討を行ったところ,透水係数増加の割合は土の液性限界との関係で整理できる可能性が示された。 これらの結果において最大の成果は(1)であり,これの意味することは,現場では凍上が発生してアイスレンズが多く形成されるような温度管理の必要がなく,単純に出来るだけ急速に低温に下げれば良いことを意味する。つまり,低コストの凍結で十分の効果が得られることである。 次に,(3)は人工地盤凍結工法のように地表面から鉛直に凍結管を打設せいて水平方向に凍結させる方法(熱流方向と荷重方向が直交)で十分の効果が得られることを意味する。 今後,研究最終年度には,5.を支配する要因を明らかにして,さらに1.と6.について検討を行う予定である。
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