2005 Fiscal Year Annual Research Report
長期的な海面上昇に対する内湾管理のサステイナブル・サイエンス
Project/Area Number |
16560450
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山田 文彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究所, 助教授 (60264280)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 順 熊本大学, 工学部, 教授 (30203821)
由比 政年 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20262553)
横山 勝英 東京都立大学, 工学部, 講師 (10347271)
柿木 哲哉 神戸市立工業高等専門学校, 講師 (50353298)
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Keywords | 潮間帯干潟 / 地形変動メカニズム / 平均潮位 / 季節変動 / 底質輸送フラックス / 現地観測 |
Research Abstract |
2004年7月より,堤防から沖に向かって約1kmの地点において約1年間の水位・流速・濁度・塩分の定点観測を行っており,その結果,約1年間の観測で約600回の潮汐の時系列を取得し,現在も継続して観測を行っている. 水位・流速の測定は,アイオーテクニック社製のWaveHunter99およびWaveHunter04(本経費で購入)に付随の水圧式波高計と電磁流速計によって5Hzのサンプリング間隔(2004年11月30日より2Hz)で連続観測を行っている.尚,水圧式波高計は海底面とほぼ同じ高さ,電磁流速計は海底面から10cmの高さで計測を行っている.濁度は,アレック電子社製の赤外後方散乱式濁度計を海底面から10cm,30cmの高さの鉛直方向2点に設置し,海水の濁度(SS濃度)を10分バーストのサンプリング間隔1Hzで20秒間の計測を行っている. ところで潮間帯上の現地観測では,潮汐変動に伴って計測器が水没と干出を繰り返すため,干出時のデータが欠測となり,その時系列は不連続データとなる.そのため,時間スケールの異なる現象が混在した時系列データの解析に有効なスペクトル解析や潮汐調和分解の適用は困難となる.そこで本研究では,潮汐位相平均手法を提案し,海水および底質輸送フラックスから波浪・潮汐成分の分離を試みた。その結果,水没干出を繰り返す潮間帯において,一潮汐の平均的な底質輸送の変動は潮汐位相平均によって説明でき,底質輸送メカニズムにおける濁度の発生要因には波浪成分,底質の輸送に関しては潮汐成分が主要な要因であることが示された.
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