2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16560464
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
樋口 忠彦 京都大学, 工学研究科, 教授 (00016669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 雅史 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20195077)
出村 嘉文 京都大学, 工学研究科, 助手 (90378810)
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Keywords | 山辺景域 / 敷地計画 / 丘陵地形 / 都市デザイン / 京都 / 哲学の道 / 南禅寺 / 吉田山・紫雲山 |
Research Abstract |
本研究は、近代以降市街地の急速な拡大のなかで、自然と市街地とが一体化した良質な景観領域<景域>が形成されてきた京都の山辺の丘陵地形を対象に、それらの景域の成り立ちを明らかにし、さらに自然環境と密接に関連する仕組みを構造的に把握することを目的としている。本年度は、2地域におけるサンプルを選定してケーススタディを行った。 1.複数の丘陵地を利用した住居群・街路網・広域庭園の景観設計 吉田山と紫雲山の二独立丘陵地形から形成される京都の神楽岡界隈の景域を対象とした。近代以前の敷地構成、特に吉田神社・真如堂・金戒光明寺境内との接続によって形成された街路網と土地造成を明らかにした。次に近代における吉田山斜面の広大な茶室庭園と計画的住宅群開発や、その周辺に発達した街路網に着目し、大文字山への眺望特性を地形データに基づくCGから分析し、斜面建築と庭園の統合的な敷地造成と広域な景観設計の手法を評価した。 2.「扇状地」と「野」の緩傾斜地形に展開する疏水と沿線都市の景観設計 緩傾斜から隆起する地形あるいは谷と扇状地の接触する地形の山裾に複数の社寺が位置する。かつて西側の広い野に田園地帯が形成されていた浄土寺・鹿ヶ谷・若王子・南禅寺の景域を対象とした。測量データに基づくCGを用いて敷地構成の原形を分析し、複数寺院の境内と建設された琵琶湖疏水分線を軸として形成された「哲学の道」と文人が居住した住居地域界隈や、近代において別荘地が集中的に造営された界隈の、地形断面などに基づく敷地構成および景観特性を明らかにし、広域でまとまる景観形成の手法を評価した。
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